い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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雪間に願う啓蟄の頃【井月さんのこころ51】

井月さんのこころ シリーズ その51
 県議会が2月19日(水)に開会し、先週から今週にかけて各党派代表質問・一般質問が終了し、新年度予算案や条例案などの議案が所管の委員会へ付託され、6日(木)から委員会審議に移りました。本会議への報告・議案採決は14日(金)、その後、議会人事を経て19日(水)に閉会予定となっています。

 この定例会初日の議案説明で長野県企業局から西天竜発電所の事業継続方針が示されました。
 上伊那北部4市町村に跨る農業用水路「西天竜」の流末に設置されている西天竜発電所については、民間への譲渡対象から外され、平成22年2月に一旦廃止方針が決定されていました。
 その後、東日本大震災による原発事故等を契機に、再生可能エネルギーとしての水力発電の重要性が再認識される中で平成24年6月に電気事業を公営企業として継続する方針決定がされた以降も、西天竜発電所については、存続するか廃止するかの検討が続けられ、地元との協議を行なってきた懸案事項でした。
  写真:西天竜発電所(伊那市)
 




 西天竜用水は、大正11年(1922年)から昭和3年(1928年)にわたり建設され、約1,200haの農地が長野県を代表する穀倉地帯に生まれ変わりました。岡谷市川岸の頭首口から25kmにも及ぶ長大な水路は、トンネルやサイホンや水路橋で山や谷を越えて伊那谷北部の天竜川右岸の水田地帯を潤すとともに、かんがい期以外には流末の小沢川段丘上から有効落差約60mで直下の西天竜発電所へ導水し発電を行なってきました。発電所の運転開始は昭和36年(1961年)12月で、半世紀を越える歴史を刻んできました。
  西天竜発電所
 存続計画では、平成24年7月から始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を適用し、現在稼動している3,600kwの発電機を大規模改修により1,500kw程度の発電機2台にリプレースして稼動させることや発電期間を延長することにより、採算面での見通しが立てられたとしており、これによって今回の存続方針が示されることになりました。改修方法や施工時期については、今後、具体的に検討されることになります。
 西天竜土地改良区をはじめ地元市町村にとっても悲願であった発電存続要望が実る結果となり、今後の農業用幹線水路の維持管理にもようやく見通しが開けることになります。
  写真:西天竜開田記念碑(箕輪町)



 再生可能エネルギーを有効活用し、エネルギー自立を目指す県の環境エネルギー戦略にも合致する賢明な選択であると思います。

 消え残る雪の間を水路満杯の西天用水が毎秒5.56トンの速さで発電所に向かって流れて行きます。




  西天竜(にしてん)や雪間に願ひのある流れ  青巒



  湛えるを傍楽(はたらく)にとぞ春の水   青巒

 先週の27日(木)に「第11回 明日に翔け!上伊那ファーマーズの集い」がJA上伊那フラワーホールにおいて開催されました。
 上伊那地域の農業関係者が一堂に会し、上伊那農業の牽引役として活躍された方々の栄誉を称えるとともに、新たな農業政策に対する理解を深めることを趣旨に、上伊那農業委員会協議会の主催、上伊那農業協同組合・上伊那地方事務所・上伊那農業改良普及センター・長野県農業会議・同上伊那支部の共催によるものです。
 約200名の参加を得て、農業功績者の表彰・感謝状贈呈、農業名人認定証授与、講演会、事例発表などが行なわれました。 詳細は、後日のブログ記事をご覧ください。



「第11回 明日に翔け!上伊那ファーマーズの集い」あいさつ要旨

 本日は、「第11回明日に翔け!上伊那ファーマーズの集い」の御案内を申し上げましたところ、このように大勢の皆様に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 御参集の皆様方には、日頃から長野県政、とりわけ上伊那地域の農業・農村振興に、多大な御尽力・御協力を賜っておりますことに対しまして、厚く感謝を申し上げます。
 今年度は、4月の凍霜害による果樹等の農作物被害や9月の台風18号による農地・農業用施設の被害、またこのたびの記録的な大雪により、農業用ハウスや果樹棚の倒壊など甚大な被害が発生をしております。被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。
 県としましては、今回の雪害について、国に対して被災農家への支援の要請をしておりますほか、農業改良普及センターに相談窓口を設けて、皆様からの相談をお受けしているところであります。今後、緊急対策・経営安定化・残雪対策の三本柱により、市町村、JA等関係団体と連携しながら対応に当ってまいります。
 さて、上伊那地域の農業は、恵まれた自然と肥沃な農地、農家のみなさんの高い農業技術、加えて首都圏、中京圏など大都市に直結した高速交通網が整備されていることなどから、水稲を中心にあらゆる品目に亘る生産が行われ、安全・安心な農畜産物を安定的に供給する総合食料供給産地として、その責務を果たしてきております。
 しかしながら、近年の農業を取り巻く状況は、農産物価格の低迷や担い手の高齢化などのほか、決着の行方のわからないTPP協定の問題など、様々な課題を抱えております。
 また、国においては今後の農業政策の基本構想となる「農林水産業・地域の活力創造プラン」が公表され、農政改革、新たな農業・農村政策が示されているところです。
 このような状況に対し、長野県では新たな総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン」の実現に向けて、将来の本県農業を担う企業的農業経営体等の育成、農地利用の効率化による生産性の向上、農業・農村が有する多面的機能の維持など「第2期長野県 食と農業農村振興計画」に位置づけた6つの柱に沿って重要課題に対応してまいります。そのための施策について、ただいま開会中の長野県議会2月定例会において予算等の審議をいただいているところです。
 このようなとき、上伊那地域の農業関係者がこうして一堂に会し、上伊那農業の牽引役として御活躍された方々の栄誉を称えるとともに、今後の農政に対する理解を深めるため、この集いを開催しますことは、たいへん意義深いものと考えます。
 本日は、全国農業会議所の 砂田 農地・組織対策部長さんから「4つの改革と農地中間管理機構 関連2法について」と題して、御講演いただくよう、お願いしております。御聴講いただき、今後の活動に活かしていただきたいと思います。
 また、上伊那地域の農業振興に長年御尽力いただき、本日受賞される農業功績者の皆様、農業名人に認定される皆様、本日はまことにおめでとうございます。
 皆様のこれまでの御功績に対し、敬意を表しますとともに今後も上伊那農業の発展のために益々御活躍されることを御期待申し上げます。
 さらに今回はJA上伊那のインターン制度についての説明と新規参入された2名の方からの発表もございます。今後の活動のヒントとして役立てていただければ幸いでございます。
 結びに、本日の集いが、多くの関係者の御協力により開催できる運びとなりましたことをこの場をお借りして御礼申し上げますとともに、本日、御参集いただきました皆様をはじめ、農業関係機関・団体の皆様方の益々のご活躍と上伊那地域農業の益々の発展を ご祈念申し上げまして、挨拶とさせていただきます。

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