2014.03.10 [ 南信教育事務所 ]
文化財探訪!~宮田村編その1~
こんにちは
南信教育事務所の文化財担当です
今回は宮田村の文化財を2回にわたって紹介します
「宮田村」といえば私個人的にはワインやウィスキー、地ビールにお豆腐そしてお菓子と「食」の一大生産地としてのイメージが強いですが、総面積約55平方キロメートルのこの村にはさまざまな文化財が点在し「文化財の宝庫」としての顔もあります。
その1では長野県史跡「中越遺跡」と長野県宝「宮田宿本陣旧新井家住宅」を紹介します
中越遺跡(長野県史跡)
中越遺跡(なかこしいせき)は、縄文時代前期前葉(今から約6500年前)~後期後葉(今から約3500年前)にかけて形成された、大規模な集落遺跡です。これまでの調査によって、400軒を越す竪穴住居の跡が見つかっていますが、この内の半数、約200軒が縄文時代前期前葉に営まれたものです。この時期の集落遺跡としては、全国的にも稀な規模を誇っています。
縄文時代前期前葉の集落域から出土する薄手の土器は、「中越式土器」と命名されています。この土器は、当時の東海地方の人々が用いたものと大変よく似ていることから、天竜川を遡るようにして、この地に人々が移動してきたものと考えられています。
遺跡の一角、宮田村役場の北東隣接地に、「中越遺跡史跡公園」が整備されています。この公園には、竪穴住居が1軒復原されている他、遺跡の模型や解説版が設置されており、数千年前の人々の暮らしに想いを馳せることができます。
宮田宿本陣旧新井家住宅(長野県宝)
宮田宿本陣旧新井家住宅は、近世伊那街道(三州街道)の宿場町のひとつ、「宮田宿」に設けられた本陣建築です。当初は宿場のほぼ中央部に所在していましたが、昭和62年(1987年)、現在の新田「ふれあい広場」の一角に移築復原されました。現存する「主屋」「座敷」「土蔵」「表門」の4つが、長野県宝に指定されています。「主屋」は18世紀後半、「座敷」は19世紀の初めに建てられたものと推定されています。長野県内には幾つもの本陣建築が残されていますが、「主屋」「座敷」「土蔵」といった建物がセットで残る例は珍しく、また伊那街道で唯一残る本陣建築としても貴重な例といえます。冬季(12月1日~3月31日)は閉館期間となりますが、4月1日~11月30日の午前9時~午後5時(入館午後4時半)の間、無料で見学することができます。
その2(3月中に掲載予定)では宮田村指定無形文化財の「津島神社祇園祭りの神輿練り」と長野県天然記念物の「中央アルプス駒ヶ岳」を紹介します
*今回のブログ作成にあたり、宮田村教育委員会生涯学習係の小池学芸員さんに全面協力いただきました。
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