い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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花王咲き誇る頃【井月さんのこころ11】

井月さんのこころ シリーズ その11
 代掻きの終わった田圃に蛙の声が喧しく響き、季節は夏に入りました。
 ぼたん寺として有名な伊那市高遠町山室の遠照寺(おん しょうじ)の境内で牡丹の花が見事な花を咲かせています。
 昭和58年、先代住職夫人が亡き住職の供養にと植えた三本の苗が ぼたん寺の始まりとのことです。160種類 2000本の牡丹です。

 牡丹は、別名 深見草とか花王とも呼ばれます。
 井月さんには、そんな牡丹を呼んだ句が数多くあります。

 人も見る脇本陣の牡丹かな   井月
 天人も雲ふみ外す花王かな   井月
 御簾ほしき吉扇亭の牡丹かな   井月
 たきものは蘭麝(らんじゃ)なるらん深見草  井月

 以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
 「飯島吉扇子の庭前に又なき牡丹あり」と題す。東春近の吉扇亭のすばらしい牡丹を詠んだ。蘭麝は、蘭の花と、ジャコウジカから製した麝香との香りで、芳香が強く、衣服に香をたきこめるのに用いた。
 深見草は、花王、花の王様とも呼ばれる、牡丹。「子供等をけふは叱らぬ牡丹かな 井月」の碑が、東伊那中村裕圀氏庭にある。
  (牡丹・夏)

 また、「天人も雲ふみ外す花王かな」の句には前書きがあって、
 「人間我慢あり。聖人も誤ちて改むるに憚ることなかれとや。されば松を画いて筆を棄て反って其の名を拾う。牡丹を望まれて爰(ここ)に一句の慰みを失うものは、柳の下に釣りを垂るゝ酒中叟。」
 牡丹の俳句を作ってほしいと頼まれて、困り果ててしまった。「柳の下に釣りを垂るゝ酒中叟(しゅちゅうそう)」、すなわち「酒の中の叟(おきな)」とは、時として「柳の家」を名乗っていた井月さんご本人のことのようです。

 さて、前回「山野草」の続きです。
 我が家の庭のアツモリソウが今年も二輪咲きました。 
 クマガイソウも蕾が膨らみ、咲き始めました。

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