2013.06.22 [ 自然・山・花 ]
ほたる飛び交う頃【井月さんのこころ14】
井月さんのこころ シリーズ その14
6月15日(土)から23日(日)まで辰野ほたる祭が開催されています。
前回記事 https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/330.html
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/326.html
昭和23年から65回を数える伝統あるイベントです。
15日の開幕セレモニーに招かれて行ってきました。祝辞要旨は稿末掲載のとおりです。
あいにくの雨の中でしたが、辰野町と姉妹都市のニュージーランド・ワイトモや千葉県鋸南町などからもお客さんが大勢見えられ、露店も数多く出店していて賑わっていました。
開幕日は雨でしたので、翌日、あらためて蛍を見に出かけました。松尾峡・ほたる童謡公園の一帯は、ほたる水路や遊歩道などが整備され、観蛍客で込み合っていました。
今年の蛍の発生予測によると、2つのピークがあってほたる祭が終わって7月になってもたくさんの蛍が見られそうとのことです。お出かけください。
辰野町観光協会提供:ほたる童謡公園のホタル乱舞、ほたる交尾
辰野ほたる祭の情報は、こちらから。http://kankou.town.tatsuno.nagano.jp/firefly/info/detail02.html
さて、井月さんの俳句にも蛍が登場します。
史はまだ拾い読みなり初蛍 井月
水くれて夕かげ待つや蛍籠 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
昼も光る蛍、宵闇迫れば夢幻の世界。蛍籠は、昔は布を張った円形。中の蛍が弱らないように水をくれて夜を待つ。蚊帳を張って蛍を放った懐かしい思い出。中国では蛍の光、窓の雪で夜も勉強した。「もの思えば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る 和泉式部」話題にはこと欠かない。伊那市は「子供にはまたげぬ川や飛蛍」の井月句碑を一九九六年三峰川左岸に建立。
(蛍・夏)
前者の句で「史」とは史書のこと。蛍を集めて、その光で書物を読んだ中国の故事を踏まえて捻って詠んだものとのことです。
「子供にはまたげぬ川や飛蛍 井月」の句碑は三峰川左岸にあります。
蛍火の蒼白い点滅は、子孫を残すために雄が雌を呼ぶための信号。
暗闇の中で懸命に光り輝いて、短い一生を終わっていきます。
ところで、辰野町ほたる童謡公園のもう一つの主役は、夜眠って朝開く睡蓮の花です。
牡丹・深見草に劣らず、こちらは清楚で実に美しい。
睡蓮の花(ほたる童謡公園にて)
朝露のままで手向けん蓮の花 井月
曙を客の込あふ蓮見かな 井月
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