2013.12.21 [ 自然・山・花 ]
冬至の頃【井月さんのこころ40】
井月さんのこころ シリーズ その40
明日22日(日)は冬至。一年で昼間の時間が最も短い日です。
伊那市の日の出は6時54分、日の入は16時39分です。日の出は1月上旬の6時58分までこれからまだ遅くなりますが、日の入は12月上旬の16時35分に比べて少し伸びてきています。
(海上保安庁海上情報部「日月出没計算サービス」で伊那市役所の北緯35度49分、東経137度57分で算出。標高や地形を考慮せず。)
井月さんは詠みます。
帘(さかばた)に旭のいろ栄る冬至かな 井月
新酒が出来たことを知らせる杉の葉で作った酒林=帘(さかばやし、さかばた)が造り酒屋の軒先に下がっている。そこに冬至の朝日が当たって、まだまだみずみずしい緑色濃い杉玉が眩しい。
写真 : 酒林=帘(さかばやし、さかばた)
近頃の新酒は、12月初旬頃から「初しぼり」が出回り始めますので、酒林=帘(さかばやし、さかばた)が新調されるのは12月頃ですね。
井月さんの時代はもっと早かったのでしょう。
遡回その26「新酒味わう頃」で紹介したとおり「今年酒」は秋の季語なのです。
辰野町小野の小野酒造店では、12月5日「夜明け前」の新酒初蔵出しの日に新しい杉玉が注連縄を付けて軒先へ取り付けられました。
例年は、「にごり酒なまざけ」が先に蔵出しされるのですが、今年は「にごり酒なまざけ」と「しぼりたて純米生」が同時に出荷されたとのことであります。
数量限定の 「しぼりたて純米生」は、なかなか手に入りません。
写真: 小野宿 造り酒屋界隈(南隣は、明治の横浜開港に貢献した貿易商 小野光賢・光景の生家で記念館があります。)
「何か面白いことはないものか」と門を覗き込んでいます。
なにがなと冬至の門へのぞきけり 井月
そして、また、晩年に近い井月さんは、こうも詠みます。
行き先に困り果たり年の坂 井月
翌の日を頼むでもなし枯柳 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
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