2013.09.14 [ 歴史・祭・暮らし ]
新酒味わう頃【井月さんのこころ26】
井月さんのこころ シリーズ その26
いよいよ今日から「千両千両井月さんまつり」が始まります。
イベント盛りだくさんです。
今日から21日(土)までの8日間、 映画「ほかいびと」の上映が伊那旭座で1日3回上映(午前10時~、午後1時~、午後3時30分~)されます。
特に今日は、併せて「酒の句会」が開催されます。
映画ほかいびとを鑑賞に来たお客様から「酒」をお題にした投句を募集し、上映後、句の表彰を行い、優秀作品には市内酒蔵から副賞がプレゼントされるそうです。
また、来週21日(土)には、 「千両千両美酒合戦」と銘打って伊那市内4酒造蔵による飲み比べができるイベントが行なわれます。
いなっせ北側広場で午後3時から6時まで。チケット1枚で猪口1杯のお酒が飲めます。チケット7枚で1000円とのこと。酒好きにはたまりませんね。
詳細はこちら(伊那市HP)
「千両千両井月さんまつり」 街角に幟がたくさん立てられてまつりが始まります。
無類の酒好きで酒入りの瓢箪をぶら下げて歩いていた井月さん、新酒が出回るこの季節がさぞ嬉しかったのだろうと思います。
早稲酒や店も勝手も人だらけ 井月
取越て米の祝や今年酒 井月
親碗につぎ零しけり今年酒 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
親碗は、主として飯を盛るが、その大きな椀に新酒をついで、溢れてこぼれた。そういって喜ぶ井月。酒飲みの心理からは、コップになみなみとついだ酒が溢れて受け皿にも。この酒が一番うまい。「相伴の婿に飲み勝つ新酒かな 井月」「憂あり新酒の酔に托すべく 夏目漱石」「生きてあることのうれしき新酒かな 吉井勇」憂いにつけ、喜びにつけ、酒だ。
(今年酒・秋)
9月9日は「重陽の節句」。長野県酒造協会はこの日を日本酒の「ひやおろし」解禁日に定めているとのことで、県下の造り酒屋さんが一斉に「ひやおろし」を売り出しましたね。
「ひやおろし」は、厳寒期に醸造し、夏越しして熟成させた加熱処理をしない日本酒です。
酒米の田圃の稲も穂首を重く垂れるようになってきました。まだ、「今年酒」は先になるのでしょうが、秋は次第に深まっていきます。
鶏頭やおのれひとりの秋ならず 井月
写真: 鶏頭
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