2015.02.21 [ 自然・山・花 ]
雪が雨に変わる頃 【井月さんのこころ102】
いずれも、大政奉還の年生まれの正岡子規が、東京帝国大学を退学した翌年の明治26年春に詠んだ句だそうです。
玻璃窓に来て大きさや春の雪 虚子
袖に来て遊び消ゆるや春の雪 虚子
いずれも、その情景が迫り来るような高浜虚子が詠んだ円熟の名句です。
遡って13日(金)上伊那消防協会参与会の懇親会に出席させていただきました。
上伊那消防協会長若しくは長野県消防協会役員の経験者で構成される参与会は、会長の孕石勝市さん(南箕輪村)以下会員は20名で、このうち13名が出席されて総会が開催され、記念撮影の後、米寿を迎えられる上島光雄さん(辰野町)・御子柴龍一さん(伊那市)や最高齢の中平智博さん(中川村)らを囲んで和やかな宴でした。
この会、昨年は14日(金)豪雪の日に開催され、JR飯田線がストップしてチェーンを巻いたタクシーで帰ったことを思い出しました。
今年は昨年のような豪雪はなく、春を迎えられそうです………。
飯田線窓に消えゆく牡丹雪 青巒
車窓の田畑日あし伸びたり 朴翆
背は痒しダメよーダメダメ春の雪 青巒
昨年の「新語・流行語大賞」に選ばれた言の葉も淡雪のように消えていきます。
淡雪や軒に干したる酒袋 井月
酒袋(さかぶくろ)は、酒の醪(もろみ)を濾す袋だそうです。
一般に日本酒は、発酵が終わった醪(もろみ)を酒と酒粕に分ける作業をする時、醪(もろみ)を袋に詰めて機械で圧力を掛けて搾るのだそうです。
ところで、前回紹介した「信濃錦・立春朝搾り」は、純米吟醸生原酒。無濾過の生酒で、精米歩合60%、アルコール分17.5度の原酒でした。日本酒には、純米、本醸造、普通酒の3分類があり、文字通り70%以下まで磨いた米と米麴と水だけで造った酒が純米酒で、これに醸造用アルコールを10%以下添加すれば本醸造。更に薄めれば普通酒。吟醸は、60%以下まで米を磨いて造る酒。大吟醸は、更に50%以下まで磨いて造ります。生は、火入れ殺菌をしない。原酒は、水を加えてアルコール度数の調整をしないということだそうです。
今回の『い~な上伊那 特産品フェア』で一番多くの事前予約をいただいた人気の日本酒は、「澱(おり)は抜くが、濾さない」製法で造られる「夜明け前」でした。
2014年5月31日 お花まつりの頃【井月さんのこころ63】
「春日愚良子句集」から
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