い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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農業用水に歴史あり  ~木曽山用水~

農地整備課のKTちゃんですicon22

皆さんは“木曽山用水”をご存じでしょうか。

伊那市西箕輪の上戸(あがっと)・中条集落は伊那谷にありながら松本藩の所領であったため、近接する川から水をとることができず、農業用水に乏しい地域でした。
享保15年(1730年)頃から明治2年(1869年)までの約140年間、高遠藩に水田への引水の訴えを9回行った記録があるほどです。

明治4年(1871年)に筑摩県の誕生をきっかけに、旧木曽郡楢川村(現塩尻市)の奈良井川源流の白川(しらかわ)より水を分けていただき、権兵衛峠を越え、上伊那郡南箕輪村の北沢川へ流す約12kmの農業用水路を完成し、明治9年(1876年)から水を使い始めました。
この農業用水路を“木曽山用水”と呼びます。

(木曽山用水跡地)

本来であれば、奈良井川、犀川となり、松本平、善光寺平をとおり日本海へ流れる水が分水嶺(ぶんすいれい)を越し、伊那谷を経由し太平洋へ流してしまう一大工事でしたicon10

奈良井川流域の松本市、塩尻市からすれば、上流部での水の取りすぎは死活問題になりますし、伊那市の北沢川、小沢川の下流域では上戸・中条集落で必要以上の水を取られれば、これまた死活問題になります。
この問題を解決するため、木曽側水枡(きそがわみずます)と牛蒡沢水枡(ごぼうさわみずます)を作り、水の管理を行っています。

こちらは木曽側水枡です。
左側にこぼれる水は取りすぎた水となるため、木曽にお返しします。

毎年6月1日には、木曽側水枡に松本市、塩尻市、伊那市の関係者が集まり、水枡検査(みずますけんさ)を行います。今年は土曜日だったので6月3日に行いました。

まず、水枡の深さを計測します。

次にピンポン球を流し、通過する時間から流速を計ります。

流したピンポン球はちゃんと回収します。

今年も取り決めどおりの水枡であることを確認しあい、水枡検査は終了です。

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