い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

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ありがたき盲亀浮木に 【井月さんのこころ153】

 また、県は、1日の緊急部局長会議で「子どもを性被害から守るための条例に関する基本的な方針」を決定し、17日から開会する2月定例県議会へ条例の骨子案を示すことになりました。

 さて、ここから話しは、「飛躍」ならぬ「潜航(せんこう)」しますが、広い大海の底に棲む「亀」ならぬ「鮟鱇(あんこう)」のお話しです。
 冬の鍋料理で、「西の河豚、東の鮟鱇」は横綱級の具材になります。
 冷凍された鮟鱇の切り身や皮を湯通しして、鮟鱇の肝を味醂などで溶いた「だし汁」で野菜などと一緒に煮込みます。本格的には、板昆布を煮てだしを摂ってから煮込むのが良いのだそうですが、これでも十分においしい鮟鱇鍋が楽しめます。

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 魚屋の軒先に吊るされた鮟鱇を井月さんが詠んでいます。

   鮟鱇や兎角もの憂き懸処  井月

 この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

 鮟鱇は深海魚、大きさは一五〇センチにも。琵琶のような体形で口が大きい。皮がぬめぬめしているので、魚屋は口に鉤をかけて吊るし、「鮟鱇の吊るし切り」にして売る。「とかくもの憂き懸処」は見るからに異様で不幸そうな鮟鱇が吊るされた印象を言う。
 豆腐・葱・白菜等と煮ながら食べるちり鍋。冬が食べ頃で内臓が特に美味。
 (鮟鱇・冬)

 食通でもあった井月さん、鮟鱇鍋をつつきながら、口癖の「千両!千両!」と言っている姿が眼に浮かびます。

 盲亀浮木は、遡回その142の巻末にも登場しました。
 2015年11月28日 四徳の山奥に 【井月さんのこころ142

DSC_3245   鷹鳴くや満願の身にありがたき  青巒
       盲亀浮木にこの身千両  朴翆

 今週の結びは、愚良子先生のこの句です。
 「春日愚良子句集」から
   鮟鱇をつつきし鍋は鉄の鍋  愚良子

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