い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

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ありがたき盲亀浮木に 【井月さんのこころ153】

 ところで、この感謝の言葉「ありがとう」の由来は、ご存知でしょうか。
 お釈迦様と弟子の阿難(あなん)尊者との「有難い」問答から生まれたのだそうです。

 お釈迦さま 「阿難よ。そなたは、人間に生まれたことをどのように思っているか?」
 阿難尊者  「はい。大変喜んでおります。」
 お釈迦さま 「では、どれくらい喜んでいるか?」
 阿難尊者  「………。」
   (答えに窮した阿難尊者にお釈迦様は、ひとつの例え話をしました。)
 お釈迦さま 「広い大海の底に棲み、百年に一度息継ぎに顔を出す盲目の亀がいる。その亀が海面に浮かぶ丸太棒に出会い、その棒に空いた小さな穴に頭を入れることがあると思うか?」
 阿難尊者  「とても考えられません。」
 お釈迦さま 「阿難よ。絶対に無いと言い切れるのか?」
 阿難尊者  「何億年かの間には、あるかもしれませんが、無いと言っても良いくらいに有難いことです。」
 お釈迦さま 「ところが、阿難よ。 私たちが人間に生まれることは、その亀が、丸太棒に出会い、その棒に空いた小さな穴に頭を入れることよりも、有難いことなのだよ。」

 これが、「ありがとう」の語源となった「盲亀浮木(もうきふぼく)」の 問答です。

 遡回その132に記した、吉田健太郎先生が説かれた「生命の不思議さ」にも通じる話しです。
 2015年9月19日 ほおずきふくらかに 【井月さんのこころ132】

 人間の生命が誕生するには3億個の精子の中から1個だけが受精に成功するのであるが、かつては一番最初に卵子に到達した精子が受精するものと考えられていた。最近の研究では、受精の瞬間に少なくとも4千個の精子が力を合わせて卵子の壁を破らないと1匹の受精には成功しないのだというのです。

 もう少し科学的に解説すると、男子が一生のうちに作る精子の数は、十歳頃から1日に約5千万~数億個ずつ、70歳までとすれば、その数は、およそ2兆個にもなります。
 また、女子の卵巣では、十二歳前後から卵子を作り始めて、約1か月に1個ずつ排卵し、50歳前後まで続きますから、一生にその数は、約500個ということになります。
 少子化の現代、一般的にいうと、受精して生命として誕生できる精子は、2兆個のうち、たった2個程度、卵子も、500個のうち、たった2個程度に過ぎないのです。
 2兆個の精子と500個の卵子が出会う確率は更に1千兆分の1、誕生した生命がいかに尊いかが分かります。

 長野県は、地方創生の総合戦略の基本目標のひとつに「合計特殊出生率の引上げ」を掲げ、誰もが希望する数の子どもを持ち、安心して子育てをすることができる「みんなで支える子育て安心県」を目指し、人口の自然減に歯止めをかけようとしています。
 目標数値は、合計特殊出生率
 H26 1.54 → H31 1.68 → H37 1.84 → H47 2.07
 

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