い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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翁の日に【井月さんのこころ35】

井月さんのこころ シリーズ その35
伊那谷の東西に聳える南・中央のふたつのアルプスが雪化粧を始めました。
写真:伊那合同庁舎の3階所長室窓から望む冠雪した南アルプス
あるしん(アルプス中央信用金庫)ビルの右に仙丈ケ岳3,033m、左に甲斐駒ケ岳(東駒)2,967m

 写真:伊那合同庁舎の屋上から望む中央アルプス
冠雪の空木岳2864mの右手前に紅葉の権現山1749m。
将棊頭山2,730mや主峰・駒ケ岳(西駒)2,956mは更にその右奥にあり見えません。

 中央アルプスの将棊頭山(2730m)の肩に建つ「西駒山荘(伊那小屋)」は、大正4年に建設されて今年で築98年になります。今年度建替工事が行われています。
新田次郎氏の小説『聖職の碑』(昭和53年映画化)で描かれた大正2年の駒ケ岳遭難事故に出てくる「石室」がその原型とのことです。
大正2年8月、修学登山で駒ケ岳に向った中箕輪尋常高等小学校の生徒・教師ら37名が、山上で暴風雨に見舞われ、引率の赤羽校長を始め11名の尊い命が犠牲となった大惨事です。
遭難事故から100年を迎えた昨年、「箕輪町郷土博物館」で「駒ケ岳遭難特別展」が開催されました。そのときの記事をご覧ください。
平成24年11月3日のブログ記事「駒ケ岳遭難特別展(聖職の碑)」

そして、先週の11月9日(土)伊那市創造館において開催中の「西駒山荘回顧展」に併せて「伊那小屋98年のよもやま話」と題した講演会がありました。
回顧展は、西駒山荘の「これまでの100年」を貴重な資料や写真で振り返る展示会として11月2日(土)から伊那市創造館で始まりました。これから来年1月19日(日)まで、伊那市内で順次会場を移動して開催されることになっています。
長野県元気づくり支援金を活用して「西駒こまくさ会」(リンク先)が主催する事業です。詳細は、地域政策課のK.Tさんから後日報告していただきます。乞う御期待!

写真: 西駒山荘回顧展 伊那市創造館(11/2~12/1)
 
講演「西駒山荘98年の歴史とその周辺の事象について」
郷土史家 春日博人氏

戦時中・県立伊那中学(現:伊那北高校)2年時の集団登山以来、上伊那の中学校で教職を執られ20回以上も駒ケ岳に登っておられる春日氏。駒ケ岳信仰と登山道の歴史、学校登山復活の経緯などについて豊富な知識・経験に基づく貴重なお話と次なる百年への期待もお聴かせいただきました。

講演「信州に生まれた諸君は―長野県の学校登山と中箕輪小学校駒ケ岳遭難事故―」
高遠中学校教頭・前県立歴史館専門主事 塚田博之氏

明治時代の学校登山のはじまり、大正2年の遭難事故を経て現代に至る学校登山の歴史を踏まえて、「長野県において三千メートル級の山に中学2年生の集団登山が行われているのは、遭難事故があったればこそ!」とのお話でした。

対談「伊那小屋98年小屋番よもやま話」
戦後の小屋番 唐木好春氏・室岡智明氏  現小屋番 宮下拓也氏

戦後昭和24年の大改築を経て生まれ変わった西駒山荘。その改築を経験し、その後の小屋の運営を支えられた唐木さん室岡さんのお二人の山番と現山番である宮下さんとの鼎談。



ヘリや重機がない時代に全てを人の力で成し遂げた様々な過去の苦労話にその風雪の重さを感ずるとともに、今回の回顧展を企画し、写真や資料を集め、記録集を纏め上げる中心を担われた宮下さんをはじめ、西駒こまくさ会の皆さんに改めて敬意を表します。
開会挨拶で西駒こまくさ会の会長でもある白鳥伊那市長さんが、来年の7月には完成させ、学校登山や山岳観光に活用していきたいと熱く思いを語られました。
今夏、西駒山荘建替に伴う床レンガの荷揚げをレース形式で行なった「中央アルプス西駒んボッカ」は来年度も継続して行なう予定であるとのこと。また、来年5月には建築工事が早く着手できるよう雪堀ボランティアも計画したいとのことです。

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