2013.09.07 [ 自然・山・花 ]
露の道除け合うように【井月さんのこころ25】
井月さんのこころ シリーズ その25
9月7日(土)は、二十四節気の「白露」。
9月の声を聞いてから朝晩は気温がぐっと下がるようになり、草の上には朝露が置くようになりました。
除け合うて二人ぬれけり露の道 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
細い道を歩いて行くと、向こうから来た人と、双方が道を譲ろうと除けて思わず草露に濡れてしまった。今なら山道かと見えるが、車のない昔は村道でも細かった。思いやりのある村人。こういうやさしさが失われた現代。自動車の乱暴運転、スピードの出しすぎ。
この句の碑が伊那市によって三峰川右岸に建てられた。
(露・秋)
写真:井月句碑【除け合うて二人ぬれけり露の道】三峰川右岸
蜻蛉(とんぼ・とんぼう)は、七月の季語なのだそうですが、赤とんぼ、秋茜は、これから里へ降りてきます。
赤とんぼの群れが山から里へと降りてきて、秋の空を埋めて飛ぶようになると、稲刈り・脱穀作業が始まります。
蜻蛉の夕空頼む九月かな 井月
空に散る蜻蛉の群れや潦 井月
(潦 にはたづみ = 水溜り)
足延し手伸し落て行く水か 井月
以下、後者の句についても、竹入弘元氏の評釈を「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
「豊年」の詞書あり、今年は気候も順調で稲穂が重く垂れるほどにしっかり実ってきた。稲が育つ期間必須の水だが、今は必要がなくなったので、田圃から開放されて音を立てて水路を下って行く。任務を全うした満足感。
足延し手伸しには、今まで緊張して任務についていた水の気持、やれやれとくつろいでいる感じが良く出ている。
(落し水・秋)
写真:とんぼ 矢車トンボ シオカラトンボ
さて、いよいよ来週末から、「千両千両 井月さんまつり」が開催されます。
今年から「千両千両 井月さんまつり実行委員会」が立ち上がり、これまで1日だった「信州伊那井月俳句大会」が、一週間にわたり様々なイベントとともに伊那市駅周辺の各会場(いなっせ、旭座、タウンステーション伊那まち、伊那市創造館、伊那橋前)で行われるとのことです
また、15日(日)には特別企画として映画「ほかいびと~伊那の井月~」で井月を演じた田中泯さんと、そのお弟子さんの石原淋さんによる踊り 「想ひ井月・面影井月」が開催されるそうです。
事務局である井上井月顕彰会さんのホームページに詳しい御案内がありますので、ご覧いただき、御参加ください。楽しみですね。
「千両千両 井月さんまつり」
お問い合わせ先
千両千両 井月さんまつり実行委員会(井上井月顕彰会事務局内)
〒396-0004 伊那市手良中坪1435番地
電話番号:0265-98-0117
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