2013.12.13 [ 歴史・祭・暮らし ]
地域おこしのアイデアとヒントを求めて~マイ修学旅行!
魅力発掘探検隊(歴史・祭り・暮らし班)のIです。
ずくなし・ヘタレの私ですが、そんな自分の元気の素としてなんとか続けている毎年の恒例行事、自称”おとなの修学旅行”があります。今回は私ことながら、この場をお借りして紹介させていただきます。
今年の場所は静岡。旅の間、新たな世界文化遺産が清々しいな姿を魅せてくれました(”三保の松原”より)。
車で4時間ほどで静岡市へ到着。歴史好きとしてはまず、登呂遺跡に表敬訪問。
旅行の目的は、全国自治体政策研究交流会議と自治体学会への参加と、開催地の周辺を見物してまわること。
11/28 会場は静岡県コンベンションアーツセンター”グランシップ”。富士山のかたち・・・?。
まずは、開催県知事の基調講演。川勝 平太知事より「”ふじのくに”静岡の「場の力」」と題して、今年6月に世界遺産登録が実現した日本の象徴富士山や日本一の種類を産する食材、ものづくり、東西日本の中間に位置する等世界に誇る「場の力」を発揮していくとともに、表裏一体である自然災害へ、自然への畏怖をもって危機管理に取組み県民を守る主旨のお話がありました。
続いて、パネルディスカッション、「地域を磨く」をキーワードに、地域の魅力を高めて地域自立の実現をめざすテーマで進士 五十八 東京農業大名誉教授をコーディネーターに4人のパネリストを迎えて話し合いがされました。特に注目されたのが、佐々木 雅幸 大阪市立大学院教授により紹介された「創造都市」の概念。芸術文化の創造の力により、都市を創造の場とし、市民一人ひとりが創造的に活動する都市をめざす活動で、世界的潮流としてユネスコ「文化多様性条約」に基づく創造都市ネットワークの輪も広がっているそうです。
佐々木先生が特に強調されたのが「創造農村」、農村が農業生産のみの役割を担うのは終わり、農村の自然環境・景観・文化の力を自信をもって創造的に磨き、外・都市と関係を結んでゆく必要を話されました。
本県においても、今年8月には、木曽町において田中元木曽町長が「木曽学」のアドバイザーである佐々木先生を招へいし文化庁主催で「創造農村フォーラム」を開催されました。昨年の越後妻有アートトリエンナーレや今年の瀬戸内国際芸術祭が注目されたように、少子高齢化が進む中で地域の中の取組みだけではジリ貧となる恐れあり、地域外との交流融合、特にアートと芸術家、創造的文化の魅力により人を引きつけ、典型的な異物・よそ者(!?)である芸術家の視点から地域の良さが新たに見いだされ活性化につながる、というものです。私も当初は疑問だったのですが、越後妻有の広大な里山を舞台に野外の現代アートの数々がなぜか風景に調和し、国内外のアーティストと住民、ボランティアの大学生、多くの観光客が交流する事例を目の当たりにし、”アートのチカラ”を実感しました一人です。
(補足させていただければ、佐々木先生が師事される環境経済学の大家、宮本 憲一先生は、汚染物の国境越境など地球環境問題にいち早く取り組まれるとともに、地域の文化や内発的な力による発展の先進例として本県に注目、佐久総合病院と地域の取組みを研究され、もちづき宮本塾を指導されました。大変な先見性、本物の学問の力、です。)
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