2013.12.12 [ 地域振興局 ]
飯島町で有害鳥獣対策研修会が開催されました
林務課からのレポートです。
上伊那地域における野生鳥獣による農林業被害は、平成14年度の約2.9億円をピークに、平成24年度には約1.5億円と減少傾向が続いているものの、今後も継続的な対策が必要な状況です。
飯島町では、平成23・24年度の2年間にわたり、東西山麓に高さ約2mの鋼製防護柵を設置しました。
その結果、イノシシやニホンジカによる農業被害は減少した一方、ニホンザルやハクビシンによる農業被害や生活環境被害(家屋に侵入して屋根裏等を汚損する被害)は減少せず、横ばいの状況です。
この状況を踏まえ、飯島町農作物有害鳥獣駆除対策協議会は11月26日(火)に、ニホンザル及びハクビシンの生態と被害対策に関する研修会を開催しました。
最初に、加害動物の生息及び被害状況について、平成23年度に野生動物の生息及び被害状況の調査を実施した㈱環境アセスメントセンターの担当者の方から説明がありました。
それによると、天竜川よりも東側ではニホンジカ、郊外ではイノシシとニホンザル、全域でハクビシンとタヌキが生息しており、また、これらの動物による被害も確認されました。
続いて、ニホンザルとハクビシンを主とした生態と被害対策について、長野県林業総合センターの岡田主任研究員による講演がありました。
被害を軽減するには、加害動物の生態をよく知るとともに、
・物理柵や電気柵の設置による被害防除
・被害を及ぼす固体の捕獲
・動物が農地等に寄り付きにくくするための、林縁部の下草刈りや間伐などの緩衝帯整備
これら3つを総合的に実施していくことが必要との説明がありました。
また、対策を実施する際は、地域ぐるみで取り組むとともに、住民の方々一人一人が、日常生活の中でできることを無理せず取り組んでいくことが重要、とのアドバイスがありました。
平成23年度の調査結果については、ご覧のようにパンフレットにコンパクトに取りまとめられ、飯島町内で配布されています。
この貴重な調査データを参考にして、今後も粘り強い取組により、被害が減少することが期待されます。
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