い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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衣替えの頃【井月さんのこころ64】

井月さんのこころ シリーズ その64
 少し肌寒い日もあり、冷夏になると思いきや、ここ数日は30度を超す猛暑で時鳥(ほととぎす)の声も「六把刈っちゃったか?六把刈っちゃったか?」と朝夕に喧しく聞こえ、暑い「夏は来ぬ」のようです。
 田植も終わって、水が張られた青田が広がっています。




 5日(木)気象庁は関東甲信地区が梅雨入りしたと発表しました。平年に比べ3日早く、去年より5日早い梅雨入りです。
 今年はニセアカシアの花付きが近年稀にみる程多く、夕方は噎せ返るような甘い蜜の匂いが風に乗って運ばれてきます。



 6月は衣替えの時期で、高校生の制服も一斉に冬服から夏服に替わりましたね。
 衣替えは、遡ると平安時代の頃から始まった習慣で、当時は「更衣(こうい)」と呼ばれ、旧暦の4月1日が冬服から夏服へ着替える宮中行事になっていたとのこと。夏服から冬服へ替えるのは、旧暦10月1日であったとのことです。
 夏装束と冬装束が定められており、女官が手に持つ扇も、夏は蝙蝠(かわほり:紙と竹製の扇)、冬は桧扇(ひおうぎ:檜製の扇)と定められていたのだそうです。
 鎌倉時代に入ると、「更衣」は衣服だけでなく、調度品まで替えられていたのだそうで、夏は高温多湿、冬は寒く乾燥する季節の変化に対応した暮らしの知恵だったのでしょう。

 井月さんも詠んでいます。

  物ごしに采女の声や青簾(すだれ)  井月
 
 この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

 井月の王朝趣味も極まれりというところ。采女は天皇・皇后に仕え、雑役にあたる女官。古代には、郡の少領以上の家族から容姿端麗な者を選んで奉仕させた後宮の女官。青簾は青葉の簾で、陰暦四月一日更衣の儀に、内裏の南隅の柳にかけた簾。物ごしにもれてくる采女の声は一層魅力的。
  (青簾・夏)

 この「采女(うねめ)」は遡回その58(清少納言『枕草子』)以来、再びの登場ですね。
 女官のなかでも天皇の更衣を手伝うのが「更衣(こうい)」と呼ばれる職位の女性で、紫式部の『源氏物語』には桐壺帝との間に光源氏を生んだ桐壺の更衣が登場します。
 更に女御(にょうご)や中宮(ちゅうぐう)など官位の高い呼称の后妃も登場しますね。

 1日(日)梅雨入り前の暑い日でしたが、小野山林組合の鍵役(かんやく)があり、駒沢山鷹巣で松茸山造成ための藪刈りを行ないました。60名弱の参加で、新緑眩しい山での作業でした。
  写真:新緑の木陰から天を覗く




 4日(水)伊那市が交通死亡事故ゼロ200日を達成され、交通安全運動推進本部長(本部長:知事)からの表彰状を伊那市市民生活部の御子柴部長さんへ伝達させていただきました。
 伊那市では昨年10月1日に高齢者が亡くなったのを最後に4月19日で200日を経過し継続中で、上伊那地方部としても昨年12月26日中川村での死亡事故発生以降ゼロを続けています。今年に入って6月4日現在で県下22警察署のうちゼロは8署ありますが、10地方部でゼロは上伊那が唯一であり、交通事故死ゼロであり続けることを日々願い続けているこの頃です。

 同4日(水)社会福祉法人アンサンブル会(小椋年男理事長)から「ひのき畳床スツール」2脚を寄贈いただきました。




 県産ひのきの木毛(もくもう)を使った畳床を「信州の木 先進的利用加速化事業」補助金などを活用して開発され、障害者の皆さんの仕事を生み出していただいています。
 自然素材であり、木毛の太さや乾燥度合いなど畳床としての性能にも工夫されていて、光前寺や諏訪大社など県内はもとより東京都などへも施工実績が生まれているとのことです。
 伊那市西箕輪にある障害者福祉施設(アンサンブル伊那作業所)を視察させていただいたのは昨秋10月末のことでした。(遡回その34)

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