2021.10.13 [ 食・農・旅農業農村支援センター ]
歴史を感じる「高遠在来とうがらし」 パート2
こんにちは!上伊那農業農村支援センターのS&Sと申します。
今回は前回に引き続き、高遠在来とうがらしの話題です。
パート1では「芝平なんばん」の紹介をしておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもよろしくお願いします!よろしくお願いします!
さて、今回は2つ目の高遠在来とうがらし、「高遠てんとうなんばん」を紹介します。
なかなかインパクトのある見た目ですよね!
なんと今から約300年前、1735年(享保20年)にはすでに同様の品種が栽培されていた記録が残っている、大変歴史の長い伝統野菜です。その記録には「てんとうまぷり」という名前で書かれており、「天井を守る」という意味なんだそうです。
写真を見てのとおり、芝平なんばんとは違って、上向き・房なりに実が付くのが特徴です。「てんとう(天井)」という名前は、ここから来ているのかもしれませんね(^^)
そんな高遠てんとうなんばんですが、一時は伝承栽培が途絶える危機に瀕していました。長い年月の中で他の品種のとうがらしなどと交配して味や形がだんだんと変わってきてしまったのです。
しかし、農家さんの土蔵から昔の種が奇跡的に見つかったおかげで、現在も300年変わらない高遠てんとうなんばんの継承が続けられています。・・・なんだか歴史の重みを感じませんか?
こちらは、高遠てんとうなんばん栽培者グループのリーダー、原さんです。
今年は約90本の株を栽培されています。収穫は10月頭頃で、赤く色づいたころに株を丸ごと収穫し、そのまま房付きの状態で乾燥させるそうです。
しっかりとした辛味が特徴で、そばの薬味にしたり、醤油漬けにしたりして食べるそうですよ!
天高く伸びる姿にあやかって、高遠の新たな名物として飛躍することを期待しています(^^)
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高遠在来とうがらしの「芝平なんばん」と「高遠てんとうなんばん」、いかがだったでしょうか?
まだまだ生産量は少ないですが、信州の伝統野菜に選定されたことをきっかけに、世間に広く知れわたって生産が拡大していくこと、そして貴重な種がこれからも地域で守られ、受け継がれていくことを願っています。
なお、「芝平なんばん」は今の時期、ニシザワ高遠食彩館の農産物直売コーナーで販売されています。
何十年も昔から地域で親しまれたとうがらし、どんな味か気になる方はぜひお試しください!
筆者も1袋購入したところ、一番大きなものはなんと17cmもありました!(右写真)
ちなみに、芝平なんばん生産者から教えていただいたオススメ調理法は「南蛮味噌」。種を取り除いてフードプロセッサーにかけ、みりん、砂糖、酢、味噌と混ぜ合わせるだけのお手軽レシピです。加熱しないので風味が引き立ち、ご飯が止まらない美味しさだそうですよ!
次回は、高遠在来とうがらしの継承に尽力する「高遠在来とうがらし保存会」の取組をご紹介します。お楽しみに!
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