2020.12.22 [ 南信州の食・味・お土産南信州の伝統・文化・史跡 ]
南信州の保存食「柚餅子」づくりが始まりました!
南信州農業農村支援センターのHです。
皆さんは、柚餅子(ゆべし)をご存知でしょうか?
全国的にはあちこちに柚餅子と呼ばれる食品があるようですが、南信州の柚餅子はお菓子とも、おかずとも、おつまみとも分類できないような、不思議な食品です(昔は武士の携行食だったとか?)。
大雑把に説明すると、柚子の中身をくり抜き、柚子釜(皮の器)の中に、米の粉と砂糖やクルミ・胡麻等を味噌と混ぜた「練り味噌」を詰め込み、3時間ほど蒸した後、自然乾燥で約2か月かけて一つひとつ丹念に干しあげて作る、郷土の保存食です。
南信州では、南部地域を中心に柚子が栽培されており、霜が降りる頃、きれいな黄金色に色づきます。
今回は、「泰阜村柚餅子生産組合」にお邪魔しました。
加工所の外まで、柚子の良い香りが漂ってきます。
泰阜村柚餅子生産組合では、40年以上も柚餅子づくりを続けてきたそうです。
代表者の松下さんにお伺いしたところ「そんな時分(じぶん)の泰阜には手作りコンニャクはあったんだが、日持ちする特産品がなかったもんでなあ。『何か、日持ちする特産品を作らまいか。』ということで、昔っから家庭で作っとった柚餅子を作ることにしたんな。」と語ってくださいました。
確かに、あちこちで自家用と思われる柚子の木を見かけます。
それでは、柚餅子の製造工程を御紹介します。
泰阜村柚餅子生産組合では、2月上旬頃までかけて、約1万個もの柚餅子を作る予定だそうです。
泰阜村の柚餅子については、過去のブログでも紹介させていただいております。
柚餅子(ゆべし)をいただきま~す ⇒ https://blog.nagano-ken.jp/shimoina/foods/355.html
柚餅子は各家庭でも作られています。
最近の各家庭で作られる柚餅子は、柚子の皮をミキサーで細かくして、前述の「練り味噌」を加えて、かまぼこ型に整形して蒸して作ります。
前述の柚餅子に比べて、お手軽に作ることができ、乾燥工程がないため、すぐに食べることができます。
今回は泰阜村の柚餅子をご紹介しましたが、天龍村でも柚餅子づくりが盛んです。
NPO法人ツメモガキtsumemogakiでは、今年、柚餅子の製造許可を取得し、天龍村の柚餅子名人から伝授された味で柚餅子の販売を開始するそうです。
NPO法人ツメモガキtsumemogakiのフェイスブックはこちらです。 ⇒ https://www.facebook.com/pg/tsumemogaki/posts/
天龍村の柚餅子も、過去のブログで紹介させていただいております。ぜひ御覧ください。
「神々が舞うゆべしの里 坂部の夏(天龍村) ⇒ https://blog.nagano-ken.jp/shimoina/other/3998.html
「ゆ~べし♪ゆべし♪」 ⇒ https://blog.nagano-ken.jp/shimoina/foods/338.html
以前、天龍村の方から「泰阜ではお米が採れたもんで、柚餅子の中に米の粉を入れるけど、天龍ではお米が採れんかったもんでなあ、代わりに小麦粉で作るんな。そいだもんで、ぜんぜん味が違うんだに。」と教えていただいたことがあります。
地域による材料の違いや味の違いも、お楽しみいただけると思います。
柚餅子は、南信州地域の一部の土産店・直売所やネット販売等でご購入いただけます。
長野県飯田合同庁舎の売店でも、柚餅子はお買い求めいただけます。 ⇒ https://blog.nagano-ken.jp/shimoina/g_news/105.html
冒頭で「柚餅子は珍味」と紹介させていただきましたが、食べ方次第で「お茶請けにも、おかずにも、おつまみにも」お使いいただけます。「不思議と後を引く味」とも評されます。
「南信州の柚餅子」、お年取りやお正月のお料理にいかがでしょうか?
南信州の伝統食の珍味「柚餅子」を、ぜひご賞味ください。
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