南信州お散歩日和

南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

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火の粉を散らす「たいきり面」登場!~南信州民俗芸能【2015-16冬】~

地域政策課のTHです。

新年を迎えましたが、暖かい日が続きます。厳しい寒さもこれからかと思うと心配しているところです。

さて、国の重要無形民俗文化財に指定されている天龍村の霜月神楽の一つ【坂部の冬祭り】を鑑賞するため、1月4日(月)に天龍村「大森山諏訪神社」へ伺いました。

この祭りは4日の夕方から翌5日の昼ごろまで夜通し続くことでも有名です。

夕方7時30分頃神社に到着すると、舞堂前で氏子や神子(カミコ:祭事や舞をつとめる者)、お練りに参加した皆さんが太鼓を叩きながら踊っているところでした。この後、祭典式から舞へと続いて行きます。

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8時頃になると女子四人の舞姫が舞う「浦安の舞」が始まりました。「浦安の舞」に限らず、【坂部の冬祭り】は神子が四人一組で舞います。清廉な舞に、自分の心身も清められる気持ちです。

神事が進み、10時を過ぎる頃には「花の舞」が始まりました。これは、小学生童子四人による舞です。幸いにも舞堂前で鑑賞が出来たため、手に持つ採り物を取り替える際に、舞を指導した先輩達が「良く踊れている」、「緊張しなくても大丈夫」など男児達を励ます場面があり、あらためて継承とは技術や知識だけでなく、普段の行いの中から紡いでいくものと感じました。

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この「花の舞」は2時間近く続き、終盤では氏子・神子全員が舞堂で「カヤセ、カヤセ、キヨメテカヤセ」と大声を出し左右に大きく振れる舞に、舞堂前の観客も肩を組んでの大合唱となり大盛り上がりとなりました。

日付が替わった1時30分過ぎからはいよいよ本舞となり、大人の神子四人の舞です。神子達は鈴や刀などを手に勇壮な舞を奉納します。動きにキレがあって、四人揃った舞が本当にカッコいい。軽やかであり、後半になるに従いスピードアップした勢いのある舞に、深夜の2時過ぎ!とは言え、眠さを忘れ思わず見入ってしまいました。

この神子に天龍村地域おこし協力隊の一人が参加していました。昨年から神子として参加しています。坂部地区も過疎・高齢化が進み、この壮大な祭りを行うにも後継者が課題との事です。地域おこし協力隊を中心に地域学習で坂部を訪れた学生などの輪が広がり、運営を側面支援する仕組みも出来つつあります。地域の人材が限られる中で、可能な範囲で参加条件を緩和し外部支援を受入れる手法が伝統芸能を次世代へ繋げる一助となることを期待します。

午前4時過ぎとなり、舞堂に面型が到着しました。流石に寒さが厳しく、火にあたって身体を温めます。

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そして午前6時前、いよいよ「たいきり面」登場!です。

「たいきり面」とは松明を切るところから来る名前で、鬼の面を付けた赤鬼が大きなまさかりを持って現れます。

氏子2人が持った松明にまさかりをぶつけて火の粉を散らす場面となり、祭りが最高潮です。

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早朝ではありますがいつの間にか観客も増えて祭りの醍醐味が味わえました。

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この後、獅子舞、鬼神面と登場し、祭はまだま続きますが、午前7時半。今回はここまでで退席させていただきました。

約600年前から伝わるとされる【坂部の冬祭り】ですが、何と言っても参加している皆さんの楽しそうな姿が印象的です。きっと皆さんでこの日のために習練を重ねた舞などを奉納し、今年も祭りが出来る喜びからではないかと思いました。

南信州には、古来より伝承されるお祭りや芸能が各地に多くあります。今回、外部の若者が支援する取組みがありましたが、歴史と伝統を受け継ぐには後継者を始めとした課題が多くあり、こうした若者が参加する取組の更なる広がりが期待されます。

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