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制服ベアで思い出を永遠に「シマ・インターナショナル 軽井沢ベアーズ」(軽井沢町)

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(左上:軽井沢高校、  右上:佐久長聖高校(夏服)、左下:学習院女子高校、右下:郵便局の制服ベア。
この他にも看護学校で着用していた実習服や亡くなられた方のスーツをリメイクしたベアもありました。)

-オーダーメイドのスーツ専門店として出発されたわけですが、そこから制服ベアを製作することになったのは、どんないきさつがあったのでしょうか。

オーダーメイドのスーツを購入されたお客様へのサービスとして、スーツの余り布を使ったミニサイズのベアをプレゼントしていたのがきっかけです。あくまでもスーツを作ってもらった記念にということで、ベアの足には日付とイニシャルを縫いつけてお渡ししていました。
そんなある日、お客様から制服の処分に困っているという話を聞きました。それならノウハウがあるわけだからやってみようということで試行錯誤し、約3年かけて2006年に受注販売できる体制を整えたのがはじまりです。2008年からホームページやブログを開設したため、県外のお客様が制服ベアをわざわざ見に来てくれたこともあったのですが、当時お店の中はほとんどスーツで占められていて、制服ベアはわずかな売り場があるだけでした。遠くから来て下さったお客様には申し訳なかったですね。
ただ、自分が制服ベアの製作を一生の仕事と考えるようになったのは、2011年の東日本大震災がきっかけでした。

-どういうことでしょうか。

ひとつはスーツの縫製工場が山形と岩手にあったため、操業が約3ヶ月ストップしてしまったことです。ちょうど学生さんの制服や入社式で着るスーツなどの注文が多く入っていた時期でしたが、すべてお客様にお届けできなくなってしまいました。当時は店の売上の95%がスーツ関連だったため、会社存亡の危機といっても過言ではありません。制服ベアはオーダーメイドのスーツと異なり自分の店ですべて製作が完結するので、外部環境に左右されない強みがあると思いました。
そしてもうひとつは、宮城県のあるお母さんから震災で亡くなった娘さんの制服をリメイクして欲しいという注文があったことでした。娘さんが出る予定だった卒業式には制服ベアと一緒に出席したいというご希望があり、お渡ししたら大変喜んでくださったんです。その時から僕は、これからの仕事は儲けとか売上とかは度外視して『人に本当に喜んでもらえる仕事』として制服ベアの仕事をメインでやることを決意しました。すべて自分達で手掛けていますから、責任を持ってお客様に届けられると思いました。

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(ちょこんと置かれているパッチワークベア。色とりどりなのは、仕立てている布がオーダーメイドスーツの余り布で作っているからです。腕のボタンもキュートですね。)

-もし創業する人にアドバイスするとしたら、どんなメッセージを贈りますか?

一番大切なのは、自分が今まで経験してきた実績がある事業で起業をすることです。ただしまるっきり同じものではなく、オリジナルな要素を含めること。そうしないと大手には敵いません。
自分だけなら冒険することも可能ですが、パートナーやお子さんがいるなど責任ある立場の方は経済的な基盤が大事になってくるので、起業するにしてもある程度目途をつけることが大事です。つまり準備ですね。どんな事業をやるのか、資金はどう調達するのか、当たり前だと思われますが大事なことです。
あとはブームに惑わされないということですね。よく食べ物屋さんでもパンケーキがブームになる等、流行がありますよね。そのときはうまくいくかもしれませんが、1,2年で行き詰まると思います。

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(軽井沢バースデーベア。月ごとに色が違っていて一番人気はピンクとのことです。
よく見たら下に敷いてあるマットもベアでした!)

-島邑さんの今後の夢、もしくは目標を教えてください。

ずばり“制服ベアミュージアム”をつくることです。今まで僕がつくった制服ベアは長野県内の高校21校をはじめ全国120校350体以上になりますが、制服ベアはもっと多くの方に知ってもらえると思っています。地元の使われなくなっている廃校を再利用し、教室ごとに制服ベアが座っていて、学校の名前があって学校案内が入っている。そんなミュージアムが理想ですね。家庭科室を工房にして制服ベアを作っているところを見てもらうとか、キットを準備して来場者に製作してもらうこともやってみたいです。入場料を無料にして教育関係者や観光客の方に幅広く足を運んでいただく軽井沢の新たなスポットにしたいと考えています。そのために全国の学校に足を運んで、制服ベアミュージアムを作るにあたって制服の寄贈をお願いする全国営業をしたいと思っています。

-壮大な計画ですね。でも記念撮影ができれば思い出に残りますね。

そうですね。制服ベアに直接触れるミュージアムにしたいと私は考えています。軽井沢町には美術館は多くありますが、作品に触れる美術館というのはないのではないでしょうか。軽井沢町は外国人観光客の方も多いのですが、外国の方から見た制服文化は非常に珍しいようですね。外国人の方にも制服ベアに目を向けてもらえるように2020年の東京オリンピックまでに制服ベアミュージアムを完成させたいです。

-可愛らしい空間で取材ができて素敵な時間を過ごすことができました。
本日はありがとうございました。

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