【これまでの記事】
(地域外の方にこの記事単独でもお読みいただけるよう、番外編は前編~後編と重複する内容も記載する)
最初に小海線の概要を簡単に紹介する。
JR小海線は小諸駅(長野県小諸市)から小淵沢駅(山梨県北杜市)までを走る鉄道。
全長は78.9kmで、31の駅がある。(長野県側27駅、山梨県側4駅)
駅の特徴については小海線沿線地域活性化協議会のHPをご覧いただきたい。
小海線開通の歴史をごくごく簡単に説明する。
私鉄として佐久鉄道が1915年に小諸駅から中込駅(現 長野県佐久市)までを開業し、その後も徐々に中込駅以南に延伸した。その後、国鉄が佐久鉄道の小諸駅~小海駅間(現 長野県小海町)を買収した。買収に前後して国鉄による敷設も進められ、1935年に小諸駅から小淵沢駅までの全線が開通した。
小海線のことをうっかり「電車」と言いそうになるが、正しくはディーゼルエンジンを使った「気動車」である。昔はSLやガソリンカー、ディーゼル機関車(貨車用)が走っていた。
水力発電により電化するというような話もかつてあったが、様々な情勢の中で立ち消えとなった。
毎日運行している車両として、以下の2種類がある。

(上の写真:馬流駅で撮影したディーゼル車、キハ110系。自然の中に溶け込むグリーンが印象的)

(上の写真:野辺山駅で撮影したハイブリッド車、キハE200形。ディーゼルエンジンで発電した電気と蓄電池に充電した電気を利用して走行する。デビューから19年ほど経つが今も先進的な色合いだと感じる)
この他にHIGH RAIL 1375(読み方はハイレール イチサンナナゴ)という観光列車がある。
この名称は、野辺山駅から清里駅の間の、JR線標高最高地点(1375m)にちなんでいる。
2017年7月にデビューし、土日や連休等に運行されている。車両はキハ100系と110系が使われている。
運行時間帯により呼び方が変わる。
・HIGH RAIL 1号:小淵沢駅10:39発→小諸駅12:53着
・HIGH RAIL 2号:小諸駅14:46発→小淵沢駅16:59着
・HIGH RAIL 星空:小淵沢駅19:22発→小諸駅21:59着
正確な運行日や運行時間はJR東日本のHPからご確認いただきたい。
HIGH RAIL 1375に乗るには予約が必須。上のHPから申し込める。
HIGH RAIL1号かHIGH RAIL星空の利用であれば、JRE MALLオーダーから別途特製お弁当も申し込める。乗車日の4日前23時までに予約が必要なので、予約忘れに注意。(私は予約を忘れており貴重な機会を逃してしまった)
料金は、小淵沢駅~小諸駅間は大人一人2,440円(乗車券1,600円、指定席券840円)となっている。特別な体験ができることを踏まえれば格安だと感じている。
※運行時間や料金等の情報は2026年3月30日現在のもの。申込時に再度ご確認いただきたい。
~補足(蛇足?)~
小海線は、一部の駅(小淵沢駅、清里駅、野辺山駅)を除き「Suica」が使えない。(執筆時点)
しかし小諸駅を通るしなの鉄道全線では、2026年3月14日(土)から「Suica」が使えるようになった。
ここで気になるのは、小諸駅から小淵沢駅間の乗車だったら「Suica」が使えるかどうか。
2025年12月12日付のしなの鉄道株式会社のプレスリリースによれば、「ご利用になる経路の途中にSuicaエリア外を通過する場合もきっぷの購入が必要となります。」とある。
その注釈として「しなの鉄道線からJR小海線の野辺山駅、清里駅、小淵沢駅またはJR中央線の各駅までJR小海線経由でSuicaを利用された場合には、実際のご利用経路にかかわらず、JR篠ノ井線・中央線経由にて運賃が自動精算されてしまいますのでご注意ください。なお、小諸駅でしなの鉄道線とJR小海線を乗り換えてご乗車される場合は、乗換こ線橋に設置いたします簡易Suica改札機にタッチしてご乗車ください。」と記載されている。(赤字は筆者が着色)
2026年3月30日時点の試算(大人一人)であるが、小諸駅~小淵沢駅の小海線の乗車券は1,600円。これに対し、同区間の篠ノ井線経由のSuica料金を調べたところ3,069円となった。必ず紙の切符を購入いただきたい。

(小諸駅の乗換こ線橋の簡易Suica改札機)
概要の紹介はこれくらいにして、乗車体験へ。
本編では、小諸駅から小淵沢駅への歩き旅を記してきたが、この小旅行の目的の一つは、HIGH RAIL 星空に乗ること。
日中に運行されるHIGH RAIL 1号に乗ったことはあったが、夜間に運行されるHIGH RAIL 星空は乗ったことがない。
HIGH RAIL 星空の特徴は野辺山駅で「星空観察会」が行われること。(ただし天候等の都合で室内での案内もしくは中止となる場合がある)
野辺山駅のある長野県南牧村(みなみまきむら)は、天文学者が選ぶ「日本で一番きれいな星空ベスト3」に選ばれている名所。
小淵沢駅。出発時刻まで、改札と同じ2階にある待合室と交流スペースで過ごす。

そろそろ出発20分前。改札を抜けてホームへ。
小海線の魅力が表現された駅名標。

沿線地域に広がる夜空や八ヶ岳がモチーフとなったHIGH RAIL 1375の外観。


内装も意匠が施されており、天井は夜空のよう。

観光列車だけあり、座席にも高級感、特別感があふれている。

出発時刻となり小淵沢駅を発車。
まず、アテンダントの方が、特製弁当を事前に注文された乗客にお渡しする。あぁ、もう少し計画的に動いていたら特製お弁当を食べられたのに。
その後、星空案内人の方が、今の時期の星座を教えてくださる。
残念ながら野辺山駅は曇天で星空観察会は難しそうとアナウンス。現地で改めて天候を確認し、星空観察ができない場合は、車内での星空上映会が行われるとのこと。
野辺山駅到着。

事前告知のとおり、曇天で星空が見えなかったため、車内の「ギャラリーHIGH RAIL」で星空上映会を行うと星空案内人の方のアナウンス。
スペースの都合で前半・後半の2組に分かれる。私は後半組だったのでいったん野辺山駅舎に向かう。
普段鍛えていない私が2日で約100キロを歩いた結果、壁や手すりがないと歩くのがしんどい状態になっていた。まだ疲れていないと自分に言い聞かせて歩いてきたが、小淵沢駅に到着したところで既に糸は切れている。野辺山駅の夜の外観写真を撮るという発想すら失われていた。下の写真は野辺山駅舎に飾られていたもの。

駅舎の天井には仕掛けが施されている。普通に撮影すると下の写真。

フラッシュを使うと、星座のイラストが見えてくる。
以前も何回か天井を撮ったが、きれいに撮るのは中々難しい。

いろいろ撮影をしていたところ、星空上映会の時間に。
ギャラリーHIGH RAILの全景を撮り損ねてしまったが、非常に上質な空間。これはぜひ一度乗って体験していただきたい。
天井には小さなプラネタリウム。ここで星空案内人の方が解説をしてくださった。

その後乗客は野辺山駅周辺あるいは車内で、思い思いの過ごし方で楽しむ。
そして出発。星空案内人の方はここで降車し見送ってくださった。
ここからは車内の楽しみ方を紹介。
HIGH RAIL 1375には、ギャラリーHIGH RAILのほかに、物販カウンターがある。
そこには小海線グッズやおつまみが並ぶ。写真を撮りそびれたが、アルコールやサイダーも売られている。

サイダーとお土産を購入。右端のリーフレットは乗車時に星空案内人の方からいただいたもの。

さらに、2025年11月29日(土)~2026年3月30日(月)の期間限定で車内にレターボックスが設置されていた。
車内物販カウンターでオリジナルはがきをいただき、宛名とメッセージを書き込む。

投函。筆不精の私からいきなり手紙が届けば、送られた方が困惑するので、自分宛てに出す。

この記事が読まれる頃にはキャンペーンが終了しているので大変恐縮だが、本企画や磯村二葉さんデザインのレターボックスがとても素敵だったので紹介させていただいた。
磯村さんは「高原列車がはしる街 移住者のための小海線ガイドブック」の表紙を描いてくださった方。とても温かいイラストで、小海線にちなむたくさんの要素が描かれているが、その一つひとつが輝いて見える。

他にも、アテンダントの方が各座席をまわり写真撮影してくださったり、車内Wi-Fiコンテンツがあったりと、旅を楽しめる要素がある。
そうこうしているうちに中込駅到着。寒い中にもかかわらず駅員さんにお出迎えしていただいた。

佐久平駅到着。車窓の下側に見えるのは北陸新幹線の線路。

そして、終着駅であり私の降車駅の小諸駅に到着。

駐車場から撮った写真。夜でもばっちり映えている。

HIGH RAIL 星空の旅の記録はこれで終了。
心残りは特製弁当を予約し忘れたことと、曇天で開催されなかった星空観察。
もちろんそれらがなくても楽しい旅だったが、今度こそHIGH RAIL 星空をフルセットで体験できるようもう一度機会を作りたい。(今度は小淵沢駅まで歩いていくということはしない…と思う)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
全編を通じて「佐久っと通信」なのに、全然「さくっと」読めない長編になってしまいました。その割に、遺跡の数々や中山道、用水と新田、養蚕と製糸業、寺社や城、文豪や偉人、満蒙開拓団はじめ戦時中の話などにほとんど触れることができなかったのは全く不勉強かつ不徳の致すところで、お詫び申し上げます。
歴史の教材は地域に眠っていると信じていますので、勉強したうえで、もう一度機会を得ることができましたらそのような分野も書かせていただきたいと思います。
これからだんだんと暖かくなり服装も難しくなってまいります。環境に変化のある方もいらっしゃるかと存じます。
もし疲れたら、小海線やしなの鉄道など、鉄道に身を任せる旅はいかがでしょうか。
どうぞ心穏やかにお過ごしください。
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