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霊仙寺湖の歴史
霊仙寺湖は、飯縄山(1,917m)の東山麓に広がる飯綱東高原に位置し、湖畔周辺は四季を通じて多くの人が訪れる観光エリアとなっています。この湖は、ボート遊びや釣りなどのレジャーの場として広く知られていますが、実は農業用水の水質改善を目的に築造された農業用ため池として、飯綱町西部の水田65haを潤しています。稲作にとって、ある程度の鉄分は必要ですが、水源としていたソブ川には多くの鉄分(ソブ)が含まれており、この鉄分が水田に入ると沈殿して固まり、スコップでも割れないほど硬い鉱盤を形成するため、稲が地中深くに根を伸ばせず生育障害が発生していました。昭和25年頃から始まった地元有志による実験や研究の結果、鉱盤を壊せば稲は正常に生育すること、鉄分は貯留、沈殿によってほとんど除去できることが分かってきたことから、昭和41年から県営鉱毒対策事業が導入され、ソブ川の水を一旦貯留して鉄分を沈殿させ、上澄みだけを農業用水として利用する「高岡鉱毒ため池(のちに霊仙寺湖)」(貯水量46.4万t)が昭和47年に完成しました。また、作付の障害となっていた鉱盤は、昭和52年に始まった県営ほ場整備事業によって破砕され、生産性の高い農地として生まれ変わり、今では県内有数の特A米コシヒカリの産地となっています。満々と水を湛える湖は、冬には一面の銀世界となり、結氷した湖面では、わかさぎの穴釣りが楽しめます。(出典:農の営みをささえる 信濃の疏水)
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