こんにちは!環境・廃棄物対策課のゼロ子です
11月27日(日)、ToiGo広場と長野市生涯学習センターで開催された長野市主催の「薪ストーブ利用促進シンポジウム」に参加してきました。その様子をお伝えしたいと思います。
最近一般のご家庭やカフェなどでも目にすることが増えてきた薪(まき)ストーブ。ノスタルジックな外観と暖かさから人気を集めていますが、化石燃料を使用しない地球にやさしい暖房としても注目されています。
薪を燃やしても二酸化炭素が排出されるのに、どこが地球にやさしいの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんので、少し解説しますね
薪を燃やすと二酸化炭素が発生しますが、この二酸化炭素は樹木が成長する過程で吸収してきたもので、長期的に見たときには、大気中の二酸化炭素の増減はありません。そして、伐採後に植林をすれば、その成長過程で再び二酸化炭素が吸収されます。森林の成長とバランスを取って利用する限り、薪は持続可能でカーボンニュートラルな資源と言うことができます。
一方、ガソリンなどの化石燃料はどうでしょう?一度燃やしてしまえば、元には戻らず、元に戻るとしても数千万年、数億年の時間がかかります。なので、薪は化石燃料に比べてずっと地球にやさしい資源と言えるのです。
長野市では、薪をはじめとする木質バイオマス(再生可能な資源)などの利活用を進めようと、様々な取組を行っています。今回の「薪ストーブ利用促進シンポジウム」は、薪ストーブを普及させるため、安全で適切な使い方を学ぼうという趣旨で開催されました。
ToiGo広場では薪ストーブの展示が行われていました。
こちらは長野市川中島町に本社を置く(株)コヤマが自社開発した薪ストーブ第1号です
(株)コヤマは自動車や建設機械などの鋳造部品をつくっている企業ですが、金属を溶融する時に使用する化石燃料を減らすため、植物性廃棄物を押し固めた「バイオブリケット」を生産して燃料に代えるなど、脱炭素に積極的に取り組まれています。
バイオブリケットは燃焼効率が良く、薪の3倍火持ちして、しかも煙の発生が少ないのだそうです。(株)コヤマではバイオブリケットを一般家庭向けに販売することも検討されているとのことで、その過程で薪ストーブを自社開発するまでに至ったそうです。ものづくりの力、すごいですね。
続いてこちらは伊那市に本社を置く(株)dldが販売するデンマーク製の薪ストーブ。クラシックなデザインが目を引きます。
オーブン付きで料理も楽しめるということで、オーブンで焼いた焼き芋を試食させてもらいました。全体にしっかり火が通って、驚くほどしっとり甘い焼き芋になっていました
ストーブの炎と美味しい焼き芋のおかげで、すっかり薪ストーブの魅力に引き込まれてしまった私ですが、その後の講演会とパネルディスカッションでは、薪ストーブの適切な使い方についてお話を聞くことができました。
薪ストーブは煙やにおいによって近隣トラブルの原因にもなり得ます。ただ、適切な木材(化学処理されていないもの)を十分に乾燥して使用すること、燃焼温度に気を付けることなどによって、煙やにおいを大幅に減らすことができるそうです。正しい使い方をきちんと学ぶことが重要なんですね
また、火災を防止するためには定期的な点検と日ごろの清掃が欠かせないということでした。電化製品よりはどうしても手がかかってしまいますが、自然エネルギーを楽しみながら生活の中に取り入れられるという点では、とっても魅力的ですよね。正しく利用することで、薪ストーブの良さが一層広まっていくとよいなと感じました。
もうすぐ12月。これからどんどん寒さが増しますね。長野地域では生活に欠かせない暖房ですが、みなさんも使うときにエネルギーのことを少し考えてみていただけると嬉しいです。化石燃料から持続可能なエネルギーにシフトしていく。2050ゼロカーボンに向けて、自分の生活にも取り入れられそうなことを探してみてください。
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