2012.02.06 [ 下伊那/巡視員 ]
県民の森も冬眠中なので
<森の巡視員便り>
季節は真冬。大平峠県民の森も春まで冬眠中ですので、それまでのつなぎとして、今回はちょっと趣向を変えて……
県民の森を管理する下伊那地方事務所の管内では、近年、ニホンジカによる森林被害が大変なことになっています。
一枚目の写真は大鹿村鹿塩(カシオ)地域の森林です。点々と色が変わっているのがわかるでしょうか?
近づくとこんな感じです。
見渡す限り一面、カラマツの皮が剥かれています。
まだ生きている樹もありますが、幹の周りをグルリと剥かれた樹は枯れてしまって、遠くからは最初の写真のように見えます。
数年前にせっかく間伐した森林なのですが……
まだ、ここまで酷いところばかりではありませんが、南アルプス山麓ではニホンジカの被害を考えることなしに森林整備をすることがほとんど無理な状況になってきています。
そこで、昨年度、間伐を行った大鹿村の県有林でも、ニホンジカ被害を防ぐための対策を試行しました。
少し前までの被害対策は、柵で造林地を囲うとか、樹にビニールテープや荒縄を樹に巻きつけるとかでしたが、それぞれ一長一短がありました。
そこで今回は、それぞれの比較も兼ねて、新製品を3種類、最近使い始めた方法を2種類、枝打ちをした枝を巻き付ける方法の計6種類を実施しました。
硬い網タイプ
伸縮性のある網タイプ
蛇腹状の不繊紙タイプ
硬い網タイプ
硬い網タイプ(市販の工事用資材の転用)
枝の巻き付け
なお、それぞれは防除資材メーカーから御提供いただきました。
対照のために何の対策もしていない24本を含めて全体で164本ですので、厳密な試験にはならないかもしれませんが、今後、定期的に経過を観察していこうと考えています。(まずは今年の豪雪に耐えられるか!?)
場所は、国道152号線を大鹿村役場から分杭峠方面に向かって車で15分、そこから徒歩5分(山歩きです)とアクセスもよいところです。
興味のある方は↓までご一報ください。
●大平峠県民の森のホームページは こちら
<本件に関するお問い合わせ先>
下伊那地方事務所林務課林産係
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メール:shimochi-rimmu@pref.nagano.lg.jp
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