2011.07.12 [ 下伊那/治山レポ ]
ニホンジカの食害
昨年度まで、信州ジビエブログ(http://gibier.nagano-ken.jp/)で話題を提供していた「担当S」さんですが、本年度から「治山事業」(詳しくはこちらから)を担当しています。
これから、定期的に「担当S」さんの視点から、皆さんにあまり馴染みがないと思われる「治山事業」の現場の様子をレポートしていきます。
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保安林を守る治山事業には、森林整備と呼ばれている事業があります。
これは、ヤマに木を植えたり育てる事で保安林としての機能を高める事を目的にしています。
ヤマが崩れてしまったり、木が過密になった結果細くなって倒れてしまったり倒れる恐れがあったりするのは判り易いのですが、植えた木が”ニホンジカ”に食べられてしまう事でヤマが崩れてしまう事があります。
ニホンジカは植物質なら何でも食べる(落ち葉も食べます)
ニホンジカの生息数が増え、密度が高くなったところでは、
タケニグサ
ノイバラ
ヒトリシズカ
ワラビ、といった棘があったり、苦いモノが多くなります。
(ってか、食べた人が居るんですよw)
あとは、比較的タフな連中が残ってます。
で、今回の現場は、大鹿村鹿塩。
ここでは、蛇紋岩と思しき礫が出ていますので、土壌はおそらくアルカリでしょう……
ワラビが居るわけだ…… 等と事業地を歩いていると
あるわあるわ
まずはシカの足跡
フンもゴロゴロしているんですが……
そして、シカによる樹皮剥
根元がグルリと食べられて枯れてしまっています
他にも同様に枯れたものがチラホラとあります。
これから植える木も、今ある木も食べられないように、色々工夫します
(ネットを張ったり、巻いたり~)
この景色もシカが食べて、草木がなくなり、シカが動き回って斜面を荒らし、山肌が崩れる兆候が出ています。
現地で捕獲にあたっている方々から、シカの大きさが小さくなってきていると聞きます。
密度が高くなっているかと思うと、かなりブルーです……
シカの生息密度が30deer/km2というと、相当に高密度だと言えますが、高尾山(明治の森高尾国定公園:770ha)全域に、231頭という密度です。
案外低いというか、人間って物凄く高密度に居るんだなぁ……
(薬王院の初詣は、例年150,000人だそうです)
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