信州森林づくり応援ネットワーク

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森林土木技術現地見学会in南信州を開催しました。

森林政策課の【すいすい】です。
大寒波が到来するものの、日々穏やかな日差しに春の匂いも混ざり始める中、若手・中堅の県地域振興局林務課職員を対象に【第3回森林土木技術現地見学会】を南信州地域で開催しました!!

南信州は、柚子やお茶が栽培もされる温暖な地域。
梅の花もほころぶ頃合いで、お日柄もよく、これはさぞ現地見学日和、、、かと思いきや!
町場は暖かくても流石に山は沢が凍り付くレベル。現場までの林道も凍ってしまって二駆の自動車ではあがれず、四駆の自動車に相乗りして向かいます。笑


【沢もカチコチに凍みちゃってます。かんじる寒さに足先がえらい】

さて、今回のテーマは①「林道の開設」、②「山腹工(土砂崩れが発生した山の安定化)」です!
これまで開催した1回目の「渓間工(治山ダム等による沢の安定化)」、2回目の「地すべり対策(水を抜く施設による土砂の安定化)」とは考え方の異なる現場です。
特に、①「林道の開設」に関しては新規に開設する路線も減少しており技術者として経験値を積みがたくなっている一方、森林資源の充実によりその重要性は一層増していますので、森林を効率的かつ長期的に活用していけるよう技術継承を確実に進めていきたいですね。

そんな中で1箇所目の現場は「林道:大島氏乗線」
喬木村の大島地区と氏乗地区をつなぐ路線で、平成初期から開設を進めており全線開通にはあと10数年掛かる見込みです。


【林道開設先端:矢印方向へ小尾根(高さ10m弱)を切って開設していきます】

現地では、風化が進んだ花崗岩が主体となる今回の現場で、開設にあたり水処理や残土処理で苦慮したこと、林業用の作業道の接続予定箇所などについて説明がありました。
この他にも、今回参加した若手の多くが林道未経験であったため、林道の考え方や施工する際に考慮すべき点など質問が活発に交わされていました。

 


【林道法面から土砂や落石が生じないようにする「吹付工」】

2箇所目の現場は「九十九谷(喬木村)」
九十九谷はかつて森林荒廃が進んで災害が多発しましたが、ひたむきな地域の取り組みにより現代では緑豊かな森林が広がっています。
また、九十九谷森林公園にある「くりん草園」は、遊歩道が整備されており、時期になると見事なくりん草の群生が見られますので、機会があれば是非訪ねてみてください。

さて、今回の現場は、その「くりん草園」の少し山側にある令和2年に大雨で発生した土砂崩れを復旧した現場です。
コンクリートや鉄カゴに石を詰めた構造物(土留工)、方形枠型に打ったコンクリート(法枠工)で土砂の崩壊や移動を押さえ、更に雨水による浸食を防ぐため、山腹の表面には丸太を水平に配置(筋工)しつつ、草の種を混ぜたムシロを敷く(伏工)ことで初期緑化を図っています。
現地を歩いて各構造物を見学しながら、設計における復旧の考え方や各工種の施工方法について意見が交わされておりました。

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