来て!観て!松本『彩』発見 歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

来て!観て!松本『彩』発見

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計量女子の計量検定所日記~マジかよ、はかり買ってくるわ~

こんにちは!計量女子です。
5月20日の世界計量記念日に合わせて国立研究開発法人 産業技術総合研究所(通称:産総研)がニコニコ生放送で配信した動画の内容を計量女子ができるだけ分かりやすく紹介するシリーズの5回目です。

※実際に放映された動画から作成したキャプチャー画像を使用していますが、著作権の所有者である国立研究開発法人産業技術総合研究所(ブランディング・広報部)に当該著作物の使用許可を得ております。

今回は、計量標準総合センター 工学計測標準研究部門 質量計試験技術グループ 伊藤 武(いとう たけし)グループ長と、計量標準普及センター 法定計量管理室 三倉 伸介(みくら しんすけ)室長による、法定計量のお話です。

そもそも法定計量とは何かというと
「国がめる計量(=計量法)」、つまり国(経済産業省)や地方行政機関が法に基づいて実施する

・正確な計量器の供給(計量器の型式承認、検定・検査)
・正確な計量の指導(事業所に対する指導、立入検査)

を指します。

まず、計量法第一条に「この法律は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする。」とあります。

例えば、法の基準に反した計量器で計量された商品が販売されたとして、それが仮に処方量が厳しく決められている医薬品だとしたら、誤った処方量の薬を購入した消費者の命に危険が及ぶ可能性があります。
そのような事態を未然に防ぐために、計量法が定められているのです。

動画で紹介された「計量関係法令例規集」という分厚い本は当然ながら長野県計量検定所にもありまして

これは計量女子が使っている計量関係法令例規集ですが、第一分冊は付箋を貼り過ぎて法のどの部分が業務に必要なのかよく分からなくなってしまっています💦(←分厚い本にありがちな問題)

皆さんの身の周りにある質量計、水道メーター、ガスメーターなどの特定計量器(適正な計量の実施を確保するためにその構造又は器差に係る基準を法で定める必要がある計量器)は、法の基準に沿って製造、修理されているかを国(産総研)や計量検定所、民間の指定検定機関が全て検定しています。
※経済産業大臣から指定された指定製造事業者が製造する特定計量器については、法基準に基づく自主検査に合格すれば検定合格とみなす制度もあります(指定製造事業者制度)

ただ、検定のうち構造に係る部分は著しい負荷を与えたり試験に長時間を要する項目があり、これを全ての特定計量器に対し実施することはとても不可能です。

そこで、届出製造事業者(指定製造事業者)が新しく開発した特定計量器について、市販される(検定を受ける)前の段階で構造が法基準を満たしているか、国(産総研)または日本電気計器検定所において試験を受ける制度があります。
これは「型式承認試験」と呼ばれ、試験に合格した同構造の特定計量器に型式承認番号を付すことで、構造検査の一部を省略することができるようになります。

そんな型式承認試験のデモンストレーションを動画で見せていただきましたので紹介します。

計量標準総合センター 工学計測標準研究部門 質量計試験技術グループ 田中 良忠(たなか よしただ)研究員が計量性能試験の一部を再現してくださいました。

これは、スーパーマーケットなどで使用される値付け用の電気式はかりに静電気を与え、放電後でも正しく計量できるかどうか試験しているところです。(静電気放電試験)

100 gの分銅を乗せた状態で、左が放電前の値付けラベル、右が放電後の値付けラベルです。
両方とも正しく100 gを示していることが分かります。
100 g 752円(税込)の常陸牛ヒレステーキ(という設定)ですから、仮に実際より1 g重く表示されたらお肉を購入したお客さんが7.52円損をしてしまいます💦
正確な計量は、計量法第一条にもある✨経済の発展及び文化の向上✨のためにとても大事なことです。

これは、分銅を10万回(!)載せ降ろししてはかりの耐久性を調べる試験です(耐久試験)が、この試験だけで約1週間かかるそうです。
ちなみに構造試験を法令どおり全部実施して終わるのが約3か月(!!)なので、型式承認制度がなければ世の中に特定計量器が出回るスピードが著しく遅くなっていたことでしょう😨

計量女子もはかりの定期検査へ行って20 ㎏分銅を載せたり降ろしたりしたことがありますが、脳裏にふと浮かんだ「こんな重い物を載せてこのはかり壊れないんだろうか🤔」という疑問は

✨型式承認試験に合格しているので大丈夫✨

という結論が出たので安心しました。
これからも安心してはかりに重い分銅を載せたり降ろしたりしたいと思います。

(次回は時間に関するお話。~いい“時”をつくって、届ける…ってコト!?~ に続きます。)

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