林務課Yです。昨年の秋冬に「一期会」が活動する2つの体験会に参加しました。
最初に「一期会」を紹介します。「一期会」は、長野県林業総合センターで行われた「森林作業体験講座」の修了者有志が集まり、地域の里山の森林整備を進め、その機能回復を図ることを目的にしているボランティアグループです。森林資源を有効活用しながら里山のすばらしさを多くの方に理解していただく活動もしています。活動が始まって今年4月で22年目を迎えようしているとのこと。現在では、塩尻市片丘を拠点として、市内の森林整備を行う傍ら、様々な体験会を行っています。(一期会ホームページ)

会場の看板
ひとつめの体験は「炭焼き」です。現代ではなかなか見ない炭焼きですが、最近では、「鬼滅の刃」の主人公「竈門炭治郎」が炭焼きを生業としていたため、若い方からちょっと注目されていますよね。
「一期会」が作る炭は「白炭」です。(おそらく竈門家も白炭かと)白炭は硬くて火がつきにくいが火持ちがよい炭で、備長炭が有名です。一期会が所有する「炭窯」も白炭焼き用の炭窯で、「白炭」の方が窯内温度が1000℃以上で「黒炭」の400~700℃よりも高いため、炭窯も頑丈に作られています。また、一番の違いは消火方法で、黒炭は窯が冷めるのを待つのに対し、白炭は熱いまま窯外に出して、消し粉(土と灰を混ぜたもの)を掛けて冷まします。今回はこの体験をしました。

熱々の炭をかき出す参加者
まず、一期会メンバーの方が模範を見せてくれます。窯が熱いので、柄の長いかき出し棒を使って炭窯の中にあるまっかっかな炭を窯口までかき出します。私も見よう見まねでやってみると、棒のおかげである程度窯からの距離があるのですが、それでも顔や手は熱いです。なんとか窯口までかき出して、そこで時間を掛けて少し冷まして、そして窯口の前脇(土が盛り上がっている所)に、炭を柄の短いかき出し棒を使って移動させ、そこで消し粉を掛けます。(消し粉は薄く掛けるのがコツとのこと)

かき出した炭を寄せる参加者
体験会には40名ほど参加され、順番にかき出し作業を体験しました。皆さん同じように顔や手が熱いと言い、11月なのに汗が出るほど体がほくほくする体験ができていました。

ピザの窯入れ
会場が盛り上がったのは続いて行われた「ピザ焼き」です。火を止めてからしばらく経っているのに、窯の温度を測ってみると300℃以上です。参加者で調理したピザを、これもまた柄の長いアルミ製の台に乗せて炭窯に入れます。3分~5分くらいでしっかり焼けたピザが完成しました。熱々のピザを切り分けて参加者全員でいただきました。(とても美味しかったです)

焼きあがったピザ

出来上がった炭はお持ち帰りОK
さらに盛り上がったのは、その日に焼いた炭のプレゼント(持ち帰りОK)でした。炭は、家の床下や、室内などの調湿や、タンスや下駄箱などの消臭用に最適で、水道水のカルキ臭も消すため、炭のかけらをペットボトルに入れてもいいです。また冷蔵庫に入れたりすると野菜などの鮮度を保つと言われています。また土壌の透水性の改善にも使われるなど使い方は様々で、参加された皆さんはうれしそうに持ち帰っていました。

炭窯の周りのきれいになった森林
こうした体験ができたのも「一期会」のメンバーの皆様のお陰です。代表の古田氏にお聞きすると、ずいぶん前から炭材(炭窯に入れる材料)づくりをされていたとのこと。炭材は炭窯の周りの森林の整備によって伐り出された広葉樹材で、太い材は割って作ったそうです。また体験日の6日前から炭窯を温めて、5日前に炭材を炭窯内に立て込みをして、4日前に本格的に火を入れ、火の番をかかさず行ったとのことでした。古田氏は、「森林整備を行い、その材を利用することで、地面がすっきりし見通しがよくなり、クマも出にくくなる」とおっしゃっていました。
「一期会」の活動に理解が深まりつつ、貴重な「炭焼き体験」ができました。
ふたつめの体験は「ミニ門松づくり」です。12月の末日に行われましたが、正月を迎えるに当たりとてもありがたい体験会です。これも教えていただくのは、「一期会」のメンバーの方々です。
最初に入れ物を作ります。内径15㎝、高さ20㎝程度の円筒形の管(底有)に、稲わらを一周、均等に並べます。その稲わらを固定するため、黒紐を3ヶ所に回します。1ヶ所づつ回す回数が違い、縁起物として上段3周、中段5周、下段7周回すように教えてくれました。(最後にぎゅっと締めなければならないため、紐は交差してはダメです)
次に下側に出ている稲わらを広げ、型紙を使って同心円状に切り揃えます。次に上側に出ている稲わらを幅1㎝ぐらいを掴んで下側にねじりながら一周編んでいきます。(上手く編むためには、稲わらを少し濡らしておくことがコツです)その後、稲わらを一定の長さに切り揃えます。
飾りつけに入ります。先端を斜めに切った竹を3本束ね、揃えるため養生テープで仮固定し、黒紐で本固定します。その束ねた竹を切り口が正面を向くようにして入れ物の背面側に立てて、その脇に、給水スポンジ(通称オアシス)を詰めた小径の竹筒を2ヶ所配置します。そのあと徐々に砂を入れていき、立てた竹などを固定しながら、箸のような棒でつつき砂を増していきます。ある程度砂が入ったら前面に紙垂(̪シデ)を付けた葉ボタンを入れます。小径の竹筒には、片方にナンテン、もう片方にウメを刺します。
最後にマツを配置します。葉の多いものは背面側に、少ないものは前面側に配置すると美しく見えるそうです。マツボックリを中心に飾り、完成したミニ門松はこのような感じです。作製に掛かった時間は1時間半程度でした。

完成したミニ門松
体験で使われた材料のわら、竹、マツ、ナンテンやウメなどは地域の里山から採れたもので、里山の豊かな恵みを感じました。
一期会では、「緑の募金」の浄財を活用して竹林等を整備し、そこから発生したものを、体験会の材料としています。「緑の募金」が活かされている活動を知ったとともに、その活動を含めて事前に準備していただいた「一期会」の方々には感謝です。
ミニ門松づくり体験会は、里山で活動する「一期会」の行事として今後も続いていくかと思いますので、家族連れやご近所お誘いして参加し、地域の里山の豊かさを感じるお正月を迎えてみてはいかがでしょうか。(一期会ホームページ)
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
松本地域振興局 総務管理課
TEL:0263-40-1955
FAX:0263-47-7821





























