秋の味覚は林檎と梨をいっぱい食べたい ぴょんきちです。
フルーツを食べたときに美味しくてテンションが上がってしまうウサギさんの動画、可愛いのでおすすめです(※可愛いからって大量にあげすぎてはいけません!)
長野県で冬に遊ぶ!と言えば、スキーやスノーボード、スケートといったものがメジャーですよね。最近ではイルミネーションやアイスキャンドルなどのイベントも色々な場所で見かけるようになりました。
他にも”今のうちに”おすすめしたい!本格的な冬が来る前に計画して欲しい!
そんなちょっと珍しい冬のアクティビティがあるんです。
それはズバリ… 湖でのワカサギ釣り !!!
ワカサギ釣りと聞くと、一般的にはこういうイメージ↑でしょうか。
いやいやいや、漫画やイラストでしか見たことないけど!?
それって北海道とかもっと寒い地域の話じゃないの!?……と思う方もいるかもしれません。
松本市から上田市方面に向かって山を抜けていく途中にある、美鈴湖(みすずこ)が今回の舞台。
この湖の歴史は安土桃山時代の『芦の田池』まで遡ります。改修工事などを経て、名前が『美鈴湖』となったのは1953年のこと。昔は秋から冬にかけてワカサギ釣りが楽しまれていたそうです。
しかし1980年代から外来種のブラックバス類が侵入。次第にワカサギ釣りは行われなくなり、冬に美鈴湖を訪れようという人も減っていきました。
そこで立ち上がったのがウテナ荘の皆さんと、我らが長野県水産試験場。
夏の美鈴湖ではヘラブナ釣りが盛んに行われており、そういった湖の様々な管理を年間通して行ってくれている施設がウテナ荘です。美鈴湖のほとりに建物があります。
そして水産試験場は、水産に関する研究を行う機関。長野県では水産庁の委託を受けて「ワカサギの資源管理に関する研究」および「外来魚の駆除に関する研究」を日々美鈴湖で行っています。
一例ではありますが、リンク先の参考資料もぜひご覧ください。こういったワカサギ釣り場創出のための先進的な研究が様々行われています!
- ワカサギ耳石標識ふ化放流について
長野県水産試験場事業報告/令和4年度・46P~ - ソーラーワカサギふ化装置の設置について
つり環境ビジョン コンセプトに基づく LOVE BLUE事業/事業報告書2017年・55P
ソーラーワカサギふ化装置作成マニュアル(水産試験場HP)
そんな2つの団体がタッグを組んで、「美鈴湖をワカサギ釣りができる湖にする」を合言葉に2013年(平成25年度)から取り組みを行ってきました。
取り組みを開始した2013年。ブラックバスの捕獲を進めつつワカサギ卵を放流したものの、稚魚は9月でほぼ全滅…ブラックバスによる影響の大きさを痛感する初年度となりました。
夏に見かける4~5cmはまだまだ稚魚です。無事に育つと冬には8cmくらいになります。
翌年度の2014年には更に徹底してブラックバス(オオクチバス)を捕獲!美鈴湖には他の魚もいるはずなのに、ブラックバスの胃を覗くとワカサギばかり…いかに影響が大きいかを実感したと言います。
しかし10月の時点で「湖内にワカサギが残っている!」という手ごたえもあり、2015年1月には早くもワカサギ釣りが解禁。約30年ぶりのワカサギ釣り解禁は新聞の記事にもなりました。
活動を始めて2年目にはもうワカサギ釣りが出来ていた!と聞くと、いかに力を入れて活動していたかということがわかります…すごすぎるっ!!
その後2016年にはすっかりワカサギ釣りも定着したようで、解禁日(12月下旬)の時点でたくさんの釣り人が!
とはいえ、ワカサギ釣りを定着させていくにはブラックバスの排除と、増やさないための努力が引き続き必要です。
当初はウテナ荘の皆さんや水産試験場の職員だけで行っていたこれらの活動も、現在では冬にワカサギ釣りを楽しんだ方々がボランティアで駆除に参加してくれています。
そうして今年もまた、皆さんの活動によりワカサギ釣りを楽しめる環境が整えられているのです
今年度8月下旬に行われた調査では、多くのワカサギ稚魚が湖で確認されました。今年の冬も期待できそうです!
※こちらは水産試験場が調査のために釣っています。解禁日前に一般の方は釣ることができません。
釣りはなかなかしたことがないという方も多く、特に自然の中での挑戦にはハードルが高い印象かもしれません。
ですが美鈴湖では初心者や子供連れでも楽しんでいただけるような様々な取り組みがされています。
例えば、こちらは配布されている初心者向けマニュアル。
もちろんこちらを見ながら1人で挑戦するのも楽しいですが、もし困ったことがあっても美鈴湖の常連さんは優しい方ばかり。周りの皆さんが助けてくださるので安心 常連さんから教えてもらいつつメモを取る方、初心者マニュアルを手に黙々と釣る方…どちらでも楽しめます!
少し変わった取り組みとしては『ドーム桟橋』というものが設置されています。
農業が盛んな長野県民から見ると「見慣れたビニールハウスが湖に浮かんでいる…?」といった感じもしますが、こちらは水産試験場が釣り振興・水産研究の一環として社会実験を行ってきた取り組みです。様々な改良を重ねながら現在は初心者でも釣果が得られやすい場所に設置されました。
ビニールシートが風よけになって寒い日でも快適に釣りを楽しむことが出来るので、寒い湖での釣りに挑戦するハードルがぐっと下がること間違いなし!
中はこんな感じで、真ん中の床が開いている部分から糸を垂らします↓
道具も一式レンタルできるので、初めての方が手ぶらで行っても大丈夫。
その他に初心者の方へアドバイスはありますか?と尋ねてみたところ、下記の回答がありました。ぜひ参考にしてください
- 美鈴湖は標高1000mにありますのでとにかく寒いです。少なくともスキーウェアのような防寒着が必須です。ワンタッチのテントやコンパクトガスヒーターなどがあれば尚良いです。
- 初心者ほど解禁後すぐに行くのがオススメ。解禁後は毎日釣られてワカサギがどんどん少なくなっていくため、釣果が得にくくなります。ワカサギ釣りの解禁は例年12月上旬ころですが、流動的なためHPでご確認下さい。
また、ワカサギは朝早いほど良く釣れるので、頑張って早起きしましょう。お昼頃に来ても期待薄です…(昨年度は6時半入場開始でした) - ホームセンター等で安いセット品を買って挑んだものの、トラブル続出で楽しめないファミリーが毎年たくさんいらっしゃいます。まずはレンタルで始め、常連さんたちの道具を見て研究してからご購入されることを強くお勧めします!
- 運良く結氷して穴釣りが可能になればチャンス到来!桟橋釣りでは攻められなかった場所にパラダイスがあるかも…!?(※穴釣りとは…氷に穴をあけて釣り糸を垂らす方法のこと。まさに冒頭のイラストですね)
穴釣りはなかなか体験できない『非日常の空間』。貴重な場所で遊べるチャンスです!
ちなみに先ほど夏4~5cmの稚魚が冬は8cmくらいになりますと記載しましたが、こちらは1年魚の場合。実際に釣るときは前年度に生まれたワカサギが残っているので、12cmくらいのサイズが釣れることもあります!
初心者さんやベテランさん、みなさんの釣果を一部ご紹介
1本の釣り糸に5匹!こんな漫画のような釣果が得られるかも…!?(※こちらは夏季の調査時に釣れた稚魚です)
釣ったワカサギは持ち帰って、天ぷらやフライにして美味しくいただきます
テレビでは釣ったその場で調理したりする場面もありますが、湖を汚してしまう可能性があるのでやめましょう
今年の冬に長野県で何かしようかな~と考えている方、ぜひ美鈴湖でのワカサギ釣りを候補に入れてみませんか?
「解禁したら早めに来るべし!」のアドバイスを元に、ぜひ今のうちから予定を計画して頂けたらと思います。
現在の湖の状況や予約などの詳細は、ウテナ荘のホームページよりご確認下さい
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