企画振興課のedadaです。当課は公共交通を担当しているのですが、今、バスやタクシーの運転手さんの不足が課題となっています。
人口の減少により人手が足りないことから、DX投資でいかにそれを補うのか焦眉の急となっている中、進取の精神あふれる塩尻市では自動運転実証事業に挑戦中。関係者試乗会が開かれたので参加させてもらいました。
自動運転はレベル1~5まであって、レベル5では「運転主体はシステム、走行領域も限定なし」。
2025年にはこれに至る目標で取組がなされているそうな。なんと!来年です。
塩尻市の実証はというと、レベル2です。基本、運転手さんはハンドルをさわらないけど、いざとなったら運転手さんが操縦します。
以前試乗した山梨県のリニアの実験線では、既に運転手は乗車しておらず、遠隔操作のみでしたが、これは踏切もなく障害となるものがほとんど侵入しない所を走るリニアならではのこと。
今回の塩尻市の実証事業は、信号もあり、一般車両や歩行者などが混在する一般道で、臨機応変な対応が求められる厳しい環境での取組なのです。
「塩尻駅→塩尻市役所→えんぱーく→塩尻駅」を約30分で巡るコース。
今年度の車両は、私の知っているものに例えると、松本市のタウンスニーカー級の車両。
昨年度の試乗車両は7人乗りと小さく、走行スピードも最高で時速19キロでしたが、今年度は15人乗りの本格的な車両で、実証事業後も活用されるそうです。
塩尻市には、「KADO」という時間や場所に制約があっても働きたい方に働ける場を提供する先進的な事業があります。ここでは自動運転で使用する高精度3次元地図を作成するため、沿線風景のデータを作成していると伺いました。
自動運転車両は、前部にポコッと飛び出しているセンサーでこうした沿線風景を粒々が集まった物として認識し、他にカメラやレーダーを活用し、地図を参照しながら走行するそうです。
車内のモニターでは、自動運転車両が付近の人や一般車が動いている様子をいかに把握しているのか見ることができます。驚いたことに乗車している者がフロントガラスから見える範囲より広く認識しています。
さらに走行スピードは昨年度よりアップし、より実用ベースに近づいていることを感じました。
現時点では、沿線にある商店等の幟がはためいていると人間が動いていると誤認識したり、枠をはみ出して駐車されている車両が沿道にあると、停車してしまい、運転手さんの出番となります。
また、停車時はどうしても急ブレーキ気味で、ポンピングブレーキのような人間並みのソフトな運転は今後の課題の様です。
試乗会後、遠隔監視室も拝見。昨年6月に開所した塩尻市の地域DXセンター「core塩尻」内のデルタルームに設けられています。(ここは文字通り三角形の部屋であり、ハイスペックなPCが設置されており、市民がeスポーツを親しむ場でもあります。)
お寺でも有名な福井県永平寺町では、すでに運転手なしのレベル4のサービスが始まったとのこと。
市のご担当に聞くと、あちらは電磁誘導線という見えない線路のようなものの上を走っているのに対し、塩尻市の実証事業はそうしたものがない状態で風景を認識し判断して走るというよりレベルが高い取組だそうな。
沿線の風景って店が変わったり、新しく家が建ったりして逐次変わっていくのだから、対応は大変と思っていたのですが、そうした目印となるものがある街中の方が、自動運転では対応しやすく、目印がない同じような田園風景が続く道の方が、厄介だそうです。(思えば人間もそうした風景の方が曲がるタイミングとかつかみにくいかもしれない・・・。)
今月には、いよいよ一般の試乗会が始まるとのこと。今年も塩尻市から目が離せませんよ!
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