2024.09.20 [ 松本市文化・伝統松本農業農村支援センター ]
トントン♫シャッシャッ♬松本民芸家具の工房へ潜入!
みなさんこんにちは松本農業農村支援センターのピッピです
今まで、ドライブにおすすめの場所(松本市、塩尻市、安曇野市)を紹介してきました。
4回目の投稿となる今回は、松本市街地の中町通りにある「株式会社松本民芸家具」の工房見学についてです!!
見学のきっかけは、8月頃こちらの会社のショールームを訪れた際に家具職人さんによる椅子作り実演を見たことでした。初めてみる家具作りに感動し、
松本民芸家具がどのようにできるか知りたい
と思いお願いをしたところ特別に許可をいただきましたので、学んできたことを皆さんにも知っていただきたくご紹介します!見学当日は、ショールームで実演なさっていたラッシ編み(後ほど紹介します)職人さんに案内してもらいました。
1 木材
主に東北産の木材(ミズメザクラなどの落葉高木)を自然・人工乾燥させて工房に運ばれます。
2 木取
乾燥などの工程が終わり、家具作りができる状態になった木材から、
①何の家具に②どこに使うか を見極めて裁断します。
家具の出来上がりの良さはここで多くが決まるとのこと!職人さんの目が光ります👀
3 組立と曲木
木取職人さんから受け取った木材を製図を確認しつつ、さらに加工し組み立てます。
また、椅子の背もたれの外枠や肘掛けは木を曲げる必要があります。そこで粘りが強い楢材を3日間水につけ、今では数少なくなった大きな蒸気窯で蒸し、柔らかくなったら2人がかりで型に合わせて曲げ、安定するまで固定しておきます。
大小様々な削りの作業が終わったら、家具の裏側にサイン(銘)を彫ります。これは①仕事に責任をもつ②長く使ってほしいという思いが込められています!
4 塗装
漆塗装、ラッカー塗装がありますが、こちらの工房ではラッカー塗装を行います。10回以上塗り重ね、化学反応によりあの特徴のある黒みと艶のある色へと仕上がります。ラッカー塗装の特徴は使い込むほどに明るく変化し、使う人それぞれの家具になることです。この作業は天気によって色の出方が変わってくるそうです。
5 ラッシ編み
こちらは、椅子の座面や背もたれが太藺草(ふといぐさ)という水草で作られたラッシチェアを制作する工程です。
太藺草は初め黄緑色だったのが次第に茶色へ変化する風合いのよさ、そして丈夫なため張り替えなくても数十年もつ家具ができることが強みです。
最近までは静岡県浜松市の農家さんから購入していましたが、約10年前から長野県大町市でも自社栽培し、社員総出で刈り取りを行うそうです。
編み方は浜松産、大町産各3本ずつを1つにまとめてヒモ状にし、隙間や緩みが出ないよう力を込めて編むそうです。
以上の工程を経てついに完成!
検品と梱包をしてお客さんの元へ送られます。
木材選びから梱包まで見学させてもらいました。ひとつひとつの作業がほとんど手作業、そして丁寧に行われていることが分かりました。ブログには載せきれないほど職人さんの声を聞くことができました。皆様ありがとうございました!
(一般公開はしていませんのでご注意ください)
伝統工芸がある街は素敵ですね
ピッピは次はどこに出没するのでしょうか…お楽しみに!
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