2014.10.03 [ 文化・伝統 ]
明治の先覚者
木下尚江(きのした なおえ)を御存知ですか?
松本市出身の明治時代の思想家、社会活動家です。普選運動、廃娼運動、日露戦争における非戦論、足尾鉱毒事件などを通じて、同時代や後世の人々に大きな影響を与えた人物です。今回は木下尚江に縁のある場所を訪ねてみました。
城山(犬甘城)に登ると、大正時代に造られた配水地の傍らに機関車の形をした顕彰碑があります。尚江を、日本を未来に導く運転手に見立てています。「何ひとつもたで行くこそ故さとの無為の国へのみやげなるべし」という尚江の言葉が記されています。終生、弱いもの、貧しいものへの眼差しを持ち続けた尚江が偲ばれます。
尚江は明治2年に松本城の北にある天白(てんぱく)町の下級武士の家に生まれました。写真は生家の跡です。天白町界隈は江戸時代の小路が良く残っています。開智学校、松本中学で学び、20代は松本で新聞記者や弁護士として活動しました。
生家は松本市島立の松本市歴史の里に移築され保存されています。ここを訪ねると生家の内部を見学できますし、尚江の足跡を学ぶことができます。
臼井吉見は安曇野市に生まれた編集者、評論家で、生家近くに文学館があります。『安曇野』という大河小説で有名ですね。この小説の主要な登場人物の一人が尚江です。明治の時代に人権、民主主義、平和を唱え、松本、そして日本を駆け抜けた先覚者に思いを馳せてみてください。
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