今年で24年目になります。
拾ケ堰見学会の季節がやってまいりました。
今年度は、安曇野市内の小学校4年生22クラス約720名が参加します。
郷土の発展の礎となった拾ケ堰(じっかせぎ)がなぜ造られたのか歴史を知り、
先人たちの努力と工夫に思いを馳せます。
農地整備課M、ある日の見学会に同行しました。
先ずは《奈良井川取水工(頭首工)》に集合。
川を横切る不思議な形をした設備は、
水を取り入れて堰に水を流していました。
ここから始まって
標高570mの等高線に沿って烏川の放流口まで
15キロ続く拾ケ堰は、高低差わずか5メートル。(専門的には「1/3,000」と表します。)
その緩やかな傾き、緩やかな流れに沿って見学は進みます。
次は、梓川をくぐり抜けた《サイホン出口》へ移動。
川の下12mを横断するサイホンの仕組みについて
模型を使って確認します。
広場に置かれているシールドマシンのカッターヘッド(直径3.68m)の黄色が眩しい!
サイホン工事に使用した実物は、工事ごとに使い捨てとなるので
ここではモニュメントとして再利用されています。
《安曇野地区広域排水事業所》へ場所を移し
緩やかな1/3,000の傾きを実現した高さを正確に測る技術
『測量』について学びます。
当時と現在の測量機器を一人ずつ覗き比べ。
遠くの目盛りを読みます。
「見えた!」「こんなに見にくい機器で測った昔の人は凄い!」賑やかに感想が飛び交います。
縦横無尽に流れている堰は、大雨が降ると水が集まりすぎて溢れることがあります。
昭和58年の大雨をきっかけに防災対策事業で排水用の水路が整備されました。
1816年に開削された拾ケ堰は200年以上地域の発展に貢献したことから
2016年に『世界かんがい施設遺産』に登録されています。
川だと思っていた緩やかな流れは、
かつて荒れ地だった安曇野を
豊かな田園へ変えた用水路だったのです。
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