楽園信州

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<VOL.240>四季彩だより~信濃の国から~

秋空の下 いにしえからの風が吹き渡る
~森将軍塚古墳・荒砥城祉~ (千曲市)

10月も中旬、秋たけなわの毎日。
空の青さも徐々に薄くなり始め、たなびく雲も高さを増してきました。それにしても暑いこと!!
先週は長野県内でも真夏日を記録!(じぇじぇじぇ!!)
それでも、我が家のウメモドキは真っ赤な実をつけ、ホトトギスの花も満開となり、そうは言っても、はやり秋を感じさせてくれています。
さて、今回は、秋風に吹かれながらのハイキングにもうってつけの、お薦めスポットの紹介です。


(長野県一大きな古墳)


長野県北信地域の南東部に位置する千曲市は、山地に囲まれ、そのほぼ中央を東南から北東に大きく曲がりながら千曲川が流れています。
春には、“一目十万本”と言われるアンズの花が咲き誇り、秋には名月と月明かりに照らされた姨捨(おばすて)の棚田が幻想的な風景をつくり出します。そして、県内を代表する温泉地の一つである戸倉上山田温泉が訪れる人々をゆったり、ゆっくり、温かく迎えてくれています。

また、武田信玄と上杉謙信が一騎打ちをしたとされる川中島の戦い(4回目)で、上杉謙信が渡ったと言われ、幕末の儒学者である頼山陽の「鞭聲粛々夜河を渡る・・・」の漢詩により一層有名になった“雨宮の渡し(あめのみやのわたし)”もここ千曲市にあります。


(山の尾根にどんと構える(ちょっと不格好?))

さて、今回紹介する一つ目の「森将軍塚古墳」は、千曲市にある4つの前方後円墳(総称:国指定史跡「埴科(はにしな)古墳群」のうちの一つで、全長100mに及ぶ長野県最大の前方後円墳です。
この古墳は、信濃国の前身である“科野(しなの)の首長の墳墓として、古墳時代前期(4世紀中ごろ)に造られたのではないかとのこと。

平野部から130~140mの高さの急峻な有明山の尾根上に造られたため、左右対称ではなく、後円部は楕円形に近く、前方部と後円部では中軸線が約20度ずれています。

後円部の中央内部には、長さ7.6m、幅2m、高さ2.3mの竪穴式石室が築かれており、この石室は東日本最大の大きさを誇っています。
石室内からは、副葬品として、ヤマト(倭)王権とのつながりを示す重要な資料とされる三角縁神獣鏡片(さんかくぶちしんじゅうきょうへん)のほか、刀剣や勾玉などが出土しています。また、古墳の周囲からは数多くの埴輪も出土しています。
現在整備されている古墳は、その頂に登ることができ、有明山の麓からゆっくりゆっくりと周りの景色を楽しみながらこの頂に立つと・・・!! 目の前に北の善光寺平から続く千曲の平坦地が迫ってきます。

有明山の麓には、森将軍塚古墳館と長野県立歴史館が建てられており、森将軍塚古墳に代表される埴科古墳群などからの出土品の展示、古代から現代までの信州の生活の歴史を学べる展示などが行われています。

◆森将軍塚古墳館
http://www.city.chikuma.nagano.jp/app/kofun/main/index.html
◇長野県立歴史館
http://www.npmh.net/

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