楽園信州

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<VOL.187>信州の驚き!とっておき☆

山に向かって流れる川!?「拾ヶ堰(じっかせぎ)」 (安曇野市)

川は、山側(高地)から海側(低地)に向かって流れて行く・・・これって常識ですよね!
でも、長野県には山に向かって流れて行く不思議な川があるんです。

長野県を代表する観光地“安曇野”、その中央部を流れる「拾ヶ堰」(安曇野地域では、農業用水路のことを堰(せぎ)という。)がその川なんです。


(手前から向こうに流れています。)

拾ヶ堰は、総延長15km、奈良井川の取水口から放流口までの高低差は5m(勾配1/3000:3,000mで1m低くなる。)しかありません。標高570mの等高線に沿って、安曇野の中央部を流れる姿は、あたかも山に向かっているようです。

それだけではありません!不思議なことがもう一つ。途中で何と!梓川(あずさがわ)の下を流れているのです!?
川が川をくぐって流れるなんて・・・

拾ヶ堰は、江戸時代後期の文化13(1816)年に、延べ6万7千人の農民人足によって、わずか3か月で完成しました。

初歩的な測量器具と「つるはし」・「鍬(くわ)」・「じょれん」・「もっこ」といった工事道具しかない時代にあって、これは“驚異の大工事”でした。

堰の完成により、渇水地帯であった安曇野に300haの水田が開かれ、10の村々を潤したことから「拾ヶ堰」と名付けられました。

現在は、地元の土地改良区がその管理を行っており、拾ヶ堰は地域農業や人々の生活にはなくてはならない農業用水として、ゆったりと流れています。

平成18年には、農林水産省が全国の農業用水路から選定した「疎水百選(そすいひゃくせん)」に選ばれています。


堰に沿ってサイクリングロード(安曇野やまびこ自転車道)や憩いの広場も整備され、安曇野を訪れる観光客や地域の人々に親しまれています。
また、昨年11月には、松本市で開催された「第14回全国農業担い手サミット」にご出席された皇太子殿下がご視察なされました。

皆さんも、田の面(も)を揺らす風に身をまかせながら、いにしえの先人の苦労に思いをはせ、ペダルをこいでみてください。

安曇野市の観光については、こちら(パソコン用)
http://www.city.azumino.nagano.jp/kanko/index.html

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