2013.11.28 [■四季彩だより~信濃の国から~]
<VOL.243>四季彩だより~信濃の国から~
一段と朝晩の寒さが厳しさを増してきました。
例年より早く、13日には長野市内でも初雪が舞い、いよいよ冬が到来!!
ショーウィンドウに置かれた色鮮やかなシクラメンが、ガラス越しに、白い息を吐きなが通り過ぎていく人々の姿を見送っています。
さて今回は、県内有数の規模を誇る神社の紹介です。
長野県の東部、上田市に広がる塩田平には、古刹、名刹と呼ばれる神社仏閣が数多くあり、そのいくつかは、国の重要文化財に指定されています。また、長野県の代表的な温泉地の一つである「別所温泉」もあり、年間を通じて多くの観光客がこの地を訪れています。
この塩田平に今回紹介する「生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)」はあります。
(水面に“朱”が映える姿が浮かぶ)
生島足島神社には、万物に生命力を与える「生島大神(いくしまのおおかみ)」と、万物に満足を与える「足島大神(たるしまのおおかみ)」の二神が祀られている長野県屈指の古い神社です。
創建の年代については明らかではありませんが、社伝によると、はるか神代の昔、建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)(諏訪神社の祭神)が諏訪へ向かう途中、この地に留まり、生島・足島の両神に米粥を煮て献じたとされています。
この故事は、現在も同神社の「御籠祭(おこもりさい)」という神事として伝わっています。
(緑に包まれ延びる参道の向こうに)
また、生島足島神社は皇室や武将の崇敬が篤く、平城天皇の時代には神戸(封戸)の寄進、醍醐天皇の時代には「名神大社(めいしんたいしゃ)」に列せられています。
古文書も多く、武田信玄が上杉謙信との川中島での決戦を前に必勝を祈願した「願文」や家臣団に神前で忠誠を誓わせた「起請文」(国の重要文化財)などが残されています。
※名神=神々の中で特に古来より霊験が著しいとされる神に対する称号
神社は、池(神池)に浮かぶ小島(神島)の上に社殿が鎮座しており、これは「池心の宮園池(いけこころのみやえんち)」と呼ばれ、出雲式園池の面影を残す、日本でも最古の形式の一つとされています。
このほか境内には、摂社として諏訪大神が祀られている諏訪神社や県宝に指定されている歌舞伎舞台、夫婦円満のご神木である樹齢800年の大欅(おおけやき)、家内安全、子孫繁栄のご神木や4本の幹に分かれた家族幸せの欅の巨木などがあります。
(朱塗りの拝殿と神橋)
「日本の大神 日本の中央」と称する生島足島神社。
七五三の賑わいが終わると、神社にも“冬の静寂”が訪れます。
冬の陽ざしの中、日本の真ん中にある生島足島神社で静かに手をあわせてみてはいかがですか。身も心も“凛”としますよ!!
◆生島足島神社
http://www.ikushimatarushima.jp/
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