楽園信州

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<VOL.212>四季彩だより~信濃の国から~

冬の夜空を炎が包む ~野沢温泉 道祖神祭り~(野沢温泉村)

メルマガ「楽園信州」をご愛読いただいている全国の皆様、新年明けましておめでとうございます。
平成25(2013)年も早、10日が過ぎようとしています。
まだまだ正月気分が抜けない方、すっかりお屠蘇気分が抜けた方、はたまた年末年始で増えた“体重”を気にしている方・・・さまざまな人々の新しい年がスタートしました。
今年最初の「四季彩だより~信濃の国から~」は、勇壮な火祭りの紹介です。


(冬の夜空に炎立つ)


長野県を代表するスキーと温泉のメッカである野沢温泉村。
この野沢温泉の冬の代名詞とも言えるのが、「野沢温泉道祖神祭り」で、日本三大火祭りに挙げられ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
子ども誕生の祝いや厄年の祓い、良縁祈願などを込めて毎年1月15日に行われます。

道祖神とは、「どうろくじん」、「さいのかみ」、「さえのかみ」などとも呼ばれ、厄祓いや子供の成長、子宝に御利益のある神とされ、石像などに刻んで村境や辻などに祀られており、中部地方から関東地方を中心に、この祭りとして、小正月に火祭りを行うことが一つの特徴となっています。

野沢温泉の道祖神祭りは、かつては村の2か所で行われていましたが、現在では1か所となり、会場は片桐家所有地の馬場ノ原に移り、火元は寺湯の河野家から出すことになっています。

村の男性のうち、数えで42歳となる厄年男性を中心に「三夜講」と呼ばれる組織を編成し、これに25歳の厄年男性が加わり、祭りを執り行います。

祭りの中心となる社殿は、針金や釘などは一切使わずにブナ等の大木で造られ、高さ十数メートル、広さは8メートル四方にもなります。組み立ては深夜まで及び、祭り当日の1月15日昼過ぎには完成します。


(火元もらいの儀式)

祭りは、厄年の代表者が河野家に火をもらいに行く「火元もらい」の儀式から始まります。囲炉裏を囲んでの酒盛りが行われた後、古式にのっとり採火された火は、大きな松明(たいまつ)に付けられ、厄年の代表者らが道祖神の歌を歌いながら火祭り会場へと向かいます。

そして、いよいよこの祭りの最大の見せ場である激しい“火の攻防戦”が開始されます。

42歳厄年の男性が上っている社殿に火を付けようと、一般の村民が元火から点火した松明を振りかざして、社殿に突っ込んで行きます。
かたやそれを防いで、社殿を守るのが25歳厄年の男衆!
社殿に火を付けようとする側と社殿を守る側が入り乱れての壮絶な攻防戦が1時間近くにわたって繰り広げられます。


(壮絶な“火の攻防戦”)

次々と押し寄せる松明の炎と松の枝で松明を払い落す音と飛び散る火の粉、攻める側と守る側の絶叫!殺気立った男たちの攻防戦に見物客は、固唾を呑んで成り行きを見守るしかありません。

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