楽園信州

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Vol126■信州の雛祭り


松本押絵雛

今日3月3日は「桃の節句」、雛祭りですね。
雛祭りは日本全国で行われている伝統行事ですが、雛人形の種類は時代や地域で千差万別。
長野県内各地でも、実にバラエティ豊かなお雛様を見ることができるんですよ。

中でも県の中部、松本地域で作られてきた「松本押絵雛」は、県北部の「中野の土人形」とともに信州を代表する雛人形のひとつでしょう。


この雛人形は、型紙を布で包み中に綿を入れて立体感を持たせたもの。江戸時代末期には武士の奥方の内職として作られていましたが、それが次第に広まり、明治に入ってからは松本の特産品に発展したんですよ。
人形の裏側に竹串が付いているのが特徴で、場所をとらずに気軽に飾ることができます。また、節句用の人形だけでなく、歴史上の人物や風俗を題材にしたものや縁起物などさまざま種類の人形が作られたので、庶民の間で大人気だったんですよ。
3月26日(土)~6月5日(日)、松本市にある国の重要文化財「馬場家住宅」で松本押絵雛約50点の展示会が行われる予定です。ぜひご覧くださいね。

馬場家住宅についてはこちら(パソコン用)
☆中野の土人形についてはこちらをどうぞ。 週刊信州Vol.76読まなきゃチョーソン市町村(パソコン・携帯兼用)

今、信州各地では雛人形展が真っ盛り。その中からいくつかをご紹介しておきましょう。
県の東部にある上田市立博物館では、4月2日(土)まで、「上田の雛人形 古雛と押絵の世界」を開催中。江戸時代の享保(きょうほう)雛(※1)・古今(こきん)雛(※2)といった古雛や、押絵雛などが紹介されています。
※1 享保雛…享保年間(1716~1735)に流行した雛人形
※2 古今雛…明和年間(1764~1771)頃考案された雛人形
上田地域に広く伝わっていたのが、雛段に添えて色とりどりの飾りを吊るす「つるし飾り」の風習。江戸時代の記録にも「つるしもの」という名が残っていて、昔は多くの商家で飾られていたようです。丈夫な蚕種紙(さんしゅし:※3)を材料としたものが多いのは、かつて蚕糸業で繁栄した「蚕都」上田ならではの特徴と言えるでしょう。
※3 蚕種紙…蚕(かいこ)蛾に卵を産み付けさせた紙


雛人形には、今と変わらない子供の健やかな成長への願いが感じられる

上田市立博物館についてはこちら(パソコン用)

県の中部にある諏訪市博物館では、3月27日(日)まで「諏訪のおひなさま」を開催中。江戸幕府で老中を務めた松平定信の娘・烈姫(後の清昌院)が高島藩の諏訪家に嫁いできた際に持参したとされる「清昌院の雛人形」などが展示されています。清昌院の内裏雛は、高さ50cmの大きな古今雛。ぜひ一度見ていただきたい豪華なお雛様ですよ。


200年の時を経ても豪奢な趣を醸しだす清昌院の雛人形

諏訪市博物館についてはこちら(パソコン用)

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