2016.05.31 [ その他 ]
木曽の鉄管橋
農地整備課のT,S@単身赴任中です。
朝練サイクルの道すがら、木曽福島の道の駅にある展望台から木曽川を眺めていましたら、不思議な橋を見つけました。
(写真1)道の駅から木曽川を見ると何やら・・・
木曽川は古くから水力発電のための電源開発が行われ、木曽管内の各所で水路や管路が川を横断する「水路橋」や「水管橋」が見られますますが、ここはその規模も大きく、水管橋の上を「車も」通れるの?・・・ということで行ってみました。
(写真2)大きな橋ですね・・・車も通れる?
水路と道路や、道路を鉄道などが一つの橋を共用することを「併用橋(へいようきょう)」と言いますが、県内で歩道ではなく車が通れる水管橋は私の記憶にはありません。
私は農業土木(土地改良)の技術屋ですので、この手の構造物にはビビっと反応してしまいます。
行ってみましたら、普通車1台が通れる車道が、発電用の鉄管の上に整備され、対岸に渡れるようになっていました。但し、道幅が普通車1台分しかなく、途中ですれ違える場所も限られますので、お車の方は道の駅から歩いた方がゆっくり見学できます。(歩いても10分位ですよ。)
(写真3)80年も前に造られた橋とは思えません。
その後帰ってから調べたら、今から80年!も前の昭和13年に建設されたそうで、この鉄管を通った水が寝覚発電所まで送られ、今でも現役で発電が行われているそうです。
この橋は、土木学会の歴史的鋼橋にも指定されていて、正式には「サイホン橋」というそうですが、地図表示や近くのひとは「鉄管橋」と呼んでいます。
(写真4)奥に見える「木曽ダム」は昭和42年完成なので、鉄管橋の方が30年近く先輩だったのですね。
橋を眺めながら、物資が乏しく鉄鋼の使用も国家管理に近かった時代に、これだけの鋼橋を作った人々の熱意に胸打たれるものがありました。
木曽管内には「土木遺産」や「近代化産業遺産」に指定されている構造物がたくさんありますので、「木曽プロ」を目指してお勉強を続けます。
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