是より木曽路 遥か彼方の京や江戸を思い、人々が往来した木曽路。 歴史と文化に彩られ、自然豊かな木曽地域の魅力を、当地勤務の県職員が四季折々に発信していきます。 あなたも、木曽に寄っていきませんか?

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木曽路を歩く㉒(“サムライロード” 馬籠峠)

皆さま、ご無沙汰しております。
元・総務管理・環境課のとうふです。

私事ですが10月から県庁へ異動となり、木曽からは離れてしまいました。
とはいえ書き残した記事がまだいくつかあるので、もうしばらく投稿していきたいと思います。

さて、バタバタしていてすっかり期間が空いてしまいましたが、シリーズ第22回となった今回は、中山道木曽路で今最も有名(かもしれない)な区間、馬籠峠をご紹介です。
「サムライロード」と呼ばれて特に外国人観光客に人気と聞きますが、その魅力はどこにあるのでしょうか?

※今回少々長いですが、よければ最後までお付き合いください🙇

今回のスタート地点、妻籠宿を出た先にある妻籠宿第三駐車場です。
実は、歩いたのは6月下旬。もう4ヶ月近くも前…(汗)
最高気温が30度近い、暑い一日でした。

10月の投稿ですが、初夏の木曽路をお楽しみください。

大妻籠
妻籠宿から1㎞ほどで着く、間の宿です。
古い建物が残ります。建物一つ一つが大きいので、坂道の下から見上げると迫力を感じます。

下り谷一里塚 周辺
江戸から81番目。大妻籠を抜けた先です。
写真奥の草むらの中流れている川の対岸にあったそうですが、今では場所もわかりません。
(案内板では79里目と書かれています。上松町までは案内板と番号が一致していたのですが、どこでズレたんでしょう…)

ここから中山道は山の中へ入るため、クマ鈴を鳴らして進みます。
石畳は近年整備されたように見えますが、これがあると街道の雰囲気が一気に増します。

ネコがいました。野良でしょうか。
逃げはしませんでしたが、近寄ろうとすると後ろに下がり、常に一定の距離を保つタイプのネコでした。

男滝・女滝
南木曽町の名勝に指定されている滝です。街道を歩く人々の憩いの場ともなっています。
特に男滝は女滝より近くで見ることができ、水量も多いので、心地良い水しぶきを受けることができました。

しばらく行くと再び石畳の道が現れます。ここの石は古そうに見えますが…果たして現存石畳でしょうか。
ここは街道撮影ポイントの一つでもあります。

石畳は長く続きませんが、山道全体がとにかく雰囲気のよい道です
木陰が多くて暑い中でも快適に歩けます。

一石栃(いちこくとち)白木改番所跡
木曽から出荷される木材などを取り締まる番所がここにありました。
かつて、木曽五木などは伐採禁止木とされ、厳しい統制が行われていたそうです。

現在は跡地にあずまやが建ち、休憩所となっています。

 

一石栃立場茶屋
番所のお隣にはお茶屋さんが残っています。ここ一石栃は妻籠宿と馬籠宿の中間ポイントでもあり、かつては7軒ほど家があったそうです。
中は無料休憩所となっており、お水・お茶・飴をいただくことができます。

ここまでの道のりではあまり人とすれ違いませんでしたが、ここでは多くの人たちが一休みしていました。
7-8割、外国の方のようにも見えました。やはり海外人気が高いようです。

お茶屋さんを出て、少しきつめの上り坂を上がること20分弱。

馬籠峠の頂点に到着です。上り坂が終わりました!

ここにもお茶屋さんが一軒あり、一休みできます。
私も休んでいたところ、「コロンビアから来た」という陽気な外国人観光客数名に話しかけられました。
話すうちに、大江健三郎氏の小説を勧められたり、『PERFECT DAYS』という映画を勧められたり…私より日本の作品に対する教養がずっと深い方でした。

そしてここから、県境を越えます
「長野県魅力発信ブログ」の記事はとうとう岐阜県に突入しましたが、気にせず進みましょう。
県境をまたいで写真撮影…とか、やりたくなりますよね。

写真撮影を楽しんだら、あとは下り坂です。

峠の集落
下り始めてすぐに現れる集落です。山の中に突然集落が現れたので、「こんなところに集落あるの?」という驚きが強かったです。
古い建物がよく残っています。

馬籠峠一里塚
江戸から82番目。「峠の集落」内に位置しており、標柱だけがその存在を示しています。
写真には写しましたが、標柱の隣にある石はおそらく一里塚と無関係です。

馬籠宿手前、これまでずっと下り坂だったところに、最後の上りが出現します。
最後の一踏ん張り…なのですが、地味に長いので精神的にキツい上り坂です…

しかし!

登りきったタイミングで、一面のヒメジョオンと恵那山周辺の山々を望む眺望がお出迎えです!
ここまでの疲労により、人生で1, 2を争う達成感と満足感を感じました。「ヒメジョオンは外来種」なんてこの際関係ありません。

馬籠上陣場展望台
ヒメジョオンの広がるポイントから少し歩くと、広い展望スポットが整備されています。
ここでは恵那山から中津川市街地まで広く見渡すことができます。

写真は中津川市街地の方向を向いて撮影しました。ここで、目の前にゴールが見えていることに気付きました。

馬籠宿 高札場
馬籠宿に到着しました!この先は次回です。

さて、馬籠峠を歩いて感じた魅力ですが、
① 整然とした森林や道中の滝など、爽やかな自然の中を心地よく歩くことができる
② 所々で現れる石畳や古い建物がよく残る集落など、一区間で往時の街道の雰囲気を十分に味わえる
③ ①、②はともに写真映えする!
④ ③ 馬籠峠の前後にある妻籠宿・馬籠宿がどちらも趣たっぷりの景観であり、見どころも満載
という点でした。

加えて、
④ 山道だがよく整備されており、歩きやすい
⑤ 道中にある茶屋のおかげで休みながら峠越えができる
ほぼ1kmおきにトイレがある(木曽路の他の区間ではありえない密度!)
など、歩きやすさの面でも安心感がある道のりでした。

遠方からの観光客目線では、
⑦ 妻籠宿~南木曽駅間、馬籠宿~中津川駅間は1時間に1本程度、馬籠宿~妻籠宿間も(2時間に1本程度だが)バスが運行されている
⑧ 南木曽駅、中津川駅ともに特急しなの停車駅(ただし南木曽駅停車の列車は少数)
と、公共交通によるアクセスも比較的容易なのも良いですね。

いかがでしたか?
自分で書いていて思いましたが、この区間、木曽地域の観光スポットとしてすごく強いです…

忖度抜きに、木曽路で最もオススメな区間です。ぜひ、木曽を訪れたら一度は歩いてみてください!


(おまけ)今回の歩行記録です。
この記録に妻籠宿・馬籠宿の散策は含まれていないので、宿場散策を加えるともう1~2時間増えると思います。
しかし、丸一日かけるに値する場所です!

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