2014.11.29 [ 自然・山・花 ]
神無月の揺れに 【井月さんのこころ88】
井月さんのこころ シリーズ その88
22日(土)夜22時8分頃、長野県北部を震源とする地震が発生しました。その日は、二十四節気の「小雪」、旧暦で神無月の朔日でもありました。
神城や大地は動く神の留守 青巒
最大震度6弱の地震により白馬村や長野市などで家屋の倒壊等により多くのけが人が発生しましたが、地域の絆の強さから救出が迅速に行われ、亡くなられた方はおりませんでした。糸魚川―静岡構造線活断層帯の北部に位置する「神城断層」が動いたことによる直下型の地震(神城断層地震)で、白馬村神城から小谷村にかけて住家の損壊が多数発生し、JR大糸線白馬-南小谷間が土砂崩れで不通となっているほか、道路や水道・電気などのライフラインも寸断されている箇所が数多くあります。被害にあわれた皆様方に、心からお見舞いを申し上げます。
今回の地震のマグニチュードは6.7、震源の深さは約5kmと推定され、余震も続いています。ユーラシアプレート側(西北西)と北米プレート側(東南東)から力が加わってフォッサマグナ西縁の極浅い神城断層の一部で西北西側が沈み込み、東南東側が隆起したことによる逆断層地震であったと推定され、地表に現れた隆起は最大で90cmであったとのことです。
ひとは皆事の多きに秋果てぬ 青巒
県は、28日(金)の部局長会議で「長野県神城断層地震 復旧・復興方針」を決定し、被災された住民の皆様が引き続き安心して住み続けられるよう市町村や関係機関と連携して早期復旧に取り組むとともに、被災された皆様の想いに寄り添いながら、今回の災害で認識された地域コミュニティの強い絆が維持されるよう応援していくこととしています。
さて、中川村で「天竜川の風情を守る」C-watの皆さんが簗漁をやっておられるとお聞きして、見学にでかけたのは、秋日和の暖かな先月末ごろのことでした。C-wat事務局の古田亘さんにご案内をいただきました。
天竜川水系で簗漁が残っているのはここだけなのだそうです。10月末までが漁期で、中川村や飯島町の子どもたちに今年最後の簗漁体験学習をしていただいて、片づけるとのことでした。平成24年度から「元気づくり支援金」を活用して、簗場を後世に残し、外来魚食べ方講習会、やな祭りなどを通じて河川環境の保全活動を続けていただいております。
初秋に設置して、主として落ちアユを捕るための伝統の漁法です。
井月さんはこう詠みます。
簗掛ける村相談や稲の花 井月
簗漁も、井月さんが生きた時代にはごくありふれた景色だったのでしょう。そして、冬を迎えると、こんな漁法も行われていたようです。
柴漬(ふしづけ)や罪作るにも場所選み 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
柴漬は、漁法の一つで、川や沼に仕掛ける。松等の柴の束を水中に埋め、中に餌を撒いておくと小魚が集まり潜る。これを簀で囲って柴を除き魚を掬い捕る。それには、好適なよく魚の集まる場所を選ばなくては。
井月は、その漁を罪作りと見る。頼りにして寄ってきた魚を一網打尽とは。世に、窮鳥懐に入れば猟師も殺さず、というではないか。
(柴漬・冬)
26日(水)午後、長野県経営者協会の山浦愛幸会長((株)八十二銀行代表取締役会長)を囲む上伊那・飯田 両支部の経営懇談会が伊那プリンスホテルで開催され、「長野県と伊那谷のエネルギー事情について」報告の機会を与えていただきました。
常葉大学の山本隆三教授から国全体のエネルギー事情について、現状と将来を見通した、広い視野からの基調講演をいただいた後、私の報告と信州ガス(株)小澤義之氏から「LNG活用の方向性」についての報告がありました。
全体のテーマは「伊那谷のエネルギーの将来像」という大きなことでしたが、環境面・地球温暖化防止対策のための再生可能エネルギーの導入を進めている長野県の、主として伊那谷地域の現状と取組みを中心にお話をさせていただきました。
まず、しあわせ信州創造プランで県のエネルギー自給率を現状58.6%から70%に引き上げようとしていること。58.6%の分母は2,969MWで分子が1,739MW、そのうち水力が大半を占めて1,633MWということであり、70%、2,100MW程度を再生可能エネルギーで賄えるようにというのが、長野県としての数値目標であること。ただし、平成25年度で既に70%は概ね達成されていること。
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