い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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神無月の揺れに 【井月さんのこころ88】

 本題として、伊那谷におけるエネルギーの実態や先駆的に取り組んでいる施策等について、伊那谷における再生可能エネルギー導入のポテンシャルと今後の方向性などの観点から、小水力、太陽光、バイオマスの順にお話をさせていただきました。

 県営ほ場整備事業などにより小水力発電事業に着手することとし、更なる普及を進めようとしていること、伊那谷におけるメガワット級太陽光発電の現況・課題とアグリイノベーションの観点からのフィルム発電の可能性、信州Fパワープロジェクトや伊那谷のペレット生産の動向と上伊那木質バイオマス利用推進協議会の設立などにより先進地域の上伊那で、更なる木質バイオマス利用促進を図ろうと取り組んでいることなどについて報告させていただきました。

 最後に、先週の伊那市における講演会で関東農政局の末松広行局長からお話いただいた、「人口減少を極力緩やかにし安定した地域づくりをするためには」という農村地域の地方創生の話しを紹介させていただきました。

 都市部に比べて農村部は出生率が高く、特に高いのは農村工業が盛んな市町村であり、「農業+アルファの所得」を確保することが多子の前提になる。出生率を横軸に、縦軸に母親が29歳までに生まれた子どもの割合をとると、正の相関関係があり、伊那谷の市町村は関東管内でも右上に位置することになるものの、その更に右側に、ファナックの立地する忍野村、矢崎総業の裾野市、東レの長泉町、浜岡原発の御前崎市などの農村工業地域の出生率が高い市町村が存在するのだということ。

 図1 

 まさに、伊那谷の先人の企業人から引き継がれてきた農村工業を大事にすることが重要ということに行き着くわけですが、少し気になるデータも示されました。

 長野県の市町村地図に29歳以下の就業者の男女比を色分けしてみると、男性を1として女性の比率が0.8を下回る市町村が上伊那には5市町村と多いこと。南信地域で0.9を超えているのは飯田市と高森町、阿南町の3市町のみであること。少子化対策を考えると地域の中で若い男女の雇用の場が均衡していることが重要であること。

 伊那谷でも少子化・晩婚化をくい止めることを真剣に考えないといけないときにきているものと思います。それには、地域農業を守り食糧自給を確保しつつ自然エネルギーの活用を図り、林業・木材産業の成長産業化などで新たな雇用も生み出しながら、農村工業で働く場を確保していくことが伊那谷地域にとって重要であることを申し添えさせていただきました。

図2

 この日の午後に、12月2日公示、14日投開票の衆議院議員総選挙に向けて長野県選挙管理委員会の地方書記長・市町村選挙管理委員長会議が県庁で開催されており、そちらは止むを得ず欠席しましたが、この懇談会が伊那谷の50名を超える企業経営者が一同に会する機会であることを踏まえて、長野県第5選挙区の選挙長職務を執行する立場から、前回の投票率(68.02%)を今回上回ることができるように従業員の皆さん等に投票参加を呼び掛けていただくことを、説明に先立ちお願いすることとしました。

 さて、伊那谷の農村工業の先駆者企業人で第4代の長野県経営者協会会長をお務めになられ、伊那谷の政治経済や文化に大きな影響を与えられた向山一人先生の生誕百年を記念した催しが今月1日(土)に、箕輪町のKOAパインパークで行われたとのことです。

 向山一人先生は、大正3年に箕輪町の農家に生まれ、戦後の疲弊した伊那谷の各地に電子部品製造工場を建設。「伊那谷に太陽を」を合言葉に、電子工業のメッカ・伊那谷の基礎を築き、長野県議会議員、衆議院議員、参議院議員など多くの公職も務められ、平成7年、81歳でお亡くなりになりました。

 伊那市の春日公園に顕彰碑が建てられています。

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 来る12月3日は旧暦の10月12日俳聖・芭蕉翁の命日です。今年は閏9月が入りましたので、遅めの「翁の日・時雨忌」となります。芭蕉翁が、元禄7年旅先の大阪にて病の床に伏し、10月12日多くの門弟たちに見送られ生涯を閉じたことは、遡回その86でふれましたが、その元禄7年10月12日は、小春日和の暖かな日であったようです。

2014年11月15日 晩秋の風と残菊に【井月さんのこころ86】

https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/8609.html

 井月さんは

  明日知らぬ小春日和や翁の日   井月

と詠んでいます。

2013年11月16日 翁の日に【井月さんのこころ35】

https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/life/180.html

 また、旧暦10月は、神無月。神様は出雲へお出かけになり留守。井月さんは、こう詠みます。

  日和にも腰折伸して神の留守  井月

  猿もなけ虎も嘯け初しぐれ  井月

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