2014.03.15 [ 自然・山・花 ]
花のように【井月さんのこころ52】
井月さんのこころ シリーズ その52
3月10日は、井月さんの新暦による忌日でした。
昨年のこの日から伊那市創造館に井月さんの常設展示室が開室されました。(遡回その3)
9日(日)井上井月顕彰会の皆さんを中心にした実行委員会による「第一回 井月忌の集い」が東京都内で初めて開催され、井月さんの魅力が全国へ向けて発信されたとのことです。こちら。
「井月忌」が春の季語として定着し、八月の「千両千両 井月さんまつり」とともに井月さんに親しんでいただく場として末永く続けられていくことを願うものです。
さて、日脚もだんだん伸びてきました。春の訪れを告げる花は、水仙や梅ですね。
春の訪れが遅い伊那谷では、同じ頃に咲きますが、水仙は冬の季語、梅は春の季語なのだそうです。ただし、黄水仙は春の季語だというからややこしい。
水仙を詠んだ井月さんの句をひとつ。
水仙や今朝突ぬけし花袋 井月
水仙もまだ見頃は少し先になりますが、駒ヶ根から南アルプス仙丈ケ岳を望む風景はまさに絶景です。
平成25年5月の当所農地整備課制作のカレンダー写真(撮影2013.4.19)から
日の光も濃くなり、県南の方からは梅の花の便りが届く季節になりました。
昨年の春は、ちょうど今頃、京都御所や桂離宮で満開の梅を見ました。
紅梅や白梅から良い香りが運ばれてきます。
井月さんが詠んだ梅の香りをいくつか。
日の延びる程づつ梅の香りかな 井月
表から裏から梅の匂ひかな 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
家の表から裏から梅の匂いがただよう。井月は嗅覚の句を多く詠んでいる。梅の香を満喫して心から喜んでいる。
梅は中国から輸入された。大伴旅人を始め万葉歌人は盛んに詠んで、風雅の心を培った。「梅の花咲きたる園の青柳をかづらにしつつ遊び暮らさな」(万八二五)。
(梅・春)
さらに、
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