南アルプスは3000メートルを超える山々が連なっており、その１座１座が離れているため、簡単に登ることはできませんが、それが魅力でもあります。

そんな南アルプスの中でも、「南アルプス林道バス」を利用し、「北沢峠（標高1,980m）」から登ることができる「仙丈ケ岳」「甲斐駒ヶ岳」は、登山口までのアクセスが他の南アルプスの山々に比べて容易なため、多くの登山者に親しまれています。

この北沢峠の東、山梨県側の北沢右岸には旧長谷村戸台の案内人・竹沢長衛の功績によって建てられた「長衛小屋」がありますが、この山小屋とキャンプ場に宿泊し、「仙丈ケ岳」「甲斐駒ヶ岳」の両方に登る登山者も多くいます。
※竹澤長衛さんについては、過去の記事をご覧ください

そんな長衛小屋キャンプ場を利用して、今回は渓流釣りとキャンプを楽しみつつ、仙丈ケ岳も登っちゃおう！という「釣り登山キャンプ」に行ってきました。

朝５時。南アルプス林道バスの朝は早い・・・。
これから北沢峠を目指す登山客で大行列です。

北沢峠に到着し、10分ほど歩くと「長衛小屋」に到着です。今回は山小屋には泊まらず、テント場を利用します。テント場は１名につき1,000円で利用できます。
天気は快晴！気持ちの良い青空です。

初日は先にテントを設営して、いざ釣りに出発。

今回釣りをした川は、山梨県の早川漁協管内です。

釣りをする際は、必ず遊漁券を購入しましょう。今回はインターネットで購入しました。

フライフィッシングで釣りをすると、出てくれました！
綺麗なヤマトイワナです。

ヤマトイワナは国内でごく限られた範囲に生息している日本固有種の魚です。長野県・山梨県のレッドデータブックにも載っており、絶滅が懸念されています。

今回釣りをした川は「キャッチ＆リリース区間」に指定されており、釣った魚は傷めないよう速やかにリリースすることとなっていたり、毎年9月16日から３月14日まで禁漁期間となっているなど、ヤマトイワナの保全が図られています。

今回釣ったヤマトイワナたちも、写真をすばやく撮らせてもらってすぐリリースです。
※詳しくは早川漁業協同組合のHPをご覧ください。

釣り終了後はお待ちかねの夕食タイム。山に来たからには美味しいものが食べたいところ。

今回の夕食は、駒ケ根名物ソースかつ丼！油の持ち帰りが面倒ではありますが、揚げたてカツをソースに浸していただきます。カツは衣をつけた状態で冷凍して持ってきたのですが、調理するころに自然解凍されてちょうどいい感じでした。

山で食べるソースかつ丼、最高です！

２日目は、早朝４時30分から行動開始です。

「南アルプスの女王」と讃えられる仙丈ヶ岳に登ります。テント場に重い荷物を置いていけるので、１泊した甲斐があります。

７時頃に７合目の「小仙丈ケ岳」に到着。今日も快晴で素晴らしい見晴らしです。
眼前に嫋やかな仙丈ケ岳のカールが見えます。頂上まであと少し。

８時頃、仙丈ケ岳に到着です。

帰りは元来た道ではなく、仙丈小屋・馬の背ヒュッテ・藪沢小屋から５合目の「大滝頭」まで行くルートで下山しました。

小仙丈ケ岳からのルートはかなり多くの登山者がいましたが、帰りのルートは比較的人が少なく、快適に降りていくことができました。

仙丈ケ岳・甲斐駒ヶ岳は日帰り登山する方が多いです。一泊すると釣りやキャンプができ、釣りをしなければ両方の山に登ることも可能です。

今回は山梨県側の長衛小屋キャンプ場を利用しましたが、長野県側にも「こもれび山荘」という快適な山小屋がありますので、一泊登山をされる方はぜひこちらも検討してみてはいかがでしょうか。

※登山には、入念な事前準備と情報収集をしてから臨みましょう
★長野県警では、山岳に関する最新情報を「長野県警察山岳遭難救助隊公式ツイッター」にて発信していますので、ぜひご覧ください。
★南アルプス北部の登山道情報はこちら「伊那市役所HP 登山道情報」