2015.03.14 [ 自然・山・花 ]
梅咲く頃 【井月さんのこころ105】
(梅・春)
竹入弘元先生の評釈にある凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)は、遡回その83以来の登場です。
そうでした、正岡子規にけなされた百人一首の「白菊の花」がありましたね。
心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花 凡河内躬恒
2014.10.25 早咲きの菊に 【井月さんのこころ83】
正岡子規は、「歌よみに与ふる書」で、この白梅の和歌についても徹底的にけなしています。
春の夜のやみはあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる 凡河内躬恒
「梅闇に匂ふ」とこれだけで済む事を三十一文字に引きのばしたる御苦労加減は恐れ入つた者なれど、これもこの頃には珍しき者として許すべく候はんに、あはれ歌人よ、「闇に梅匂ふ」の趣向は最早打どめに被成(なされ)ては如何や。闇の梅に限らず、普通の梅の香も『古今集』だけにて十余りもあり、それより今日までの代々の歌よみがよみし梅の香は、おびただしく数へられもせぬほどなるに、これも善い加減に打ちとめて、香水香料に御用ゐ被成候は格別、その外歌には一切これを入れぬ事とし、鼻つまりの歌人と嘲(あざけ)らるるほどに御遠ざけ被成ては如何や。小さき事を大きくいふ嘘が和歌腐敗の一大原因と相見え申候。
霜に置き惑わせる白菊をけなし、闇に匂う白梅をけなし…………
むしろ正岡子規が葬り去った伝統ある連句や「和魂」の作法こそ、そろそろ見直されてしかるべきであると思うのですが………。
中央アルプスビジネスフェアが盛会のうちに終了いたしました。一昨日の記事をご覧ください。
こちらも http://calpsfair.jp/
私もなく香りたる花の兄 青巒
沁々と見き落葉松も芽吹き待つ 青巒
今週の結びは、愚良子先生が詠んでいるこの句です。
「春日愚良子句集」から
梅咲いて昨日の事をふと忘る 愚良子
春暁よ目覚めなくても目覚めても 愚良子
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