2015.03.13 [ 地域振興局 ]
伊那路・木曽路が連携する「観光懇談会」で観光危機管理に関するセミナーがありました。
皆さんさん、こんにちは。商工観光課です。
この度、上伊那・下伊那・木曽地域の観光関係者で組織する「伊那路・木曽路広域観光連携会議」は、広域観光連携の推進を図るため10日に駒ヶ根市のアイパルいなんで「観光懇談会」を開催しました。
4回目となる今回は、御嶽山噴火などの災害を受けての観光危機管理の取組みに関するセミナーや情報交換、交流会が催され、行政や民間事業者など約100人の観光関係者が参加しました。
昨年、木曽地域は7月に南木曽町の土砂災害、9月に御嶽山の噴火と大きな災害に相次いで見舞われ、風評等もあり観光産業は大きな影響を受けました。
主催者あいさつで駒ヶ根市長から、広域観光マップの作成、サイクリング企画、県外PRキャンペーンの実施など、これまでの取り組みにより少しずつ成果が出てきたと感じている。木曽地域の自然災害や雪害による駒ケ岳ロープウェイの運休など両地域の観光はかつてない打撃を受けたことにより、伊那路・木曽路の連携がますます大事であると話がありました。
あいさつをする駒ヶ根市の杉本幸治市長
木曽路地域を代表してあいさつした木曽町長から、昨年の災害では大変お世話になり感謝している。復興はまだこれからだが、王滝村のスキー場「おんたけ2240」もオープンし、木曽町のスキー場(木曽福島・マイア)も昨年並みの利用者があり木曽にとっては大変有難い状況。伊那路とはしっかり連携していきたいと話がありました。
あいさつをする木曽町の原久仁男町長
来賓代表あいさつで上伊那地方事務所長からは、昨年は両地域の観光にとって大変な影響を受けた年。県としても観光産業や風評被害払拭のため「冬の信州観光 新戦略」で観光の躍進を図ってきた。伊那路・木曽路がそれぞれの特色を活かして連携し、さらに12年後に開業を迎えるリニア中央新幹線によるリニアバレー構想の実現に向けて広域観光、体験型観光、インバウンドなどにより、今後とも両地域がさらに強い連携をもって多くの人を呼び込んでいただきたいと話がありました。
あいさつをする上伊那地方事務所の青木一男所長
メインの観光振興セミナーでは、災害による教訓を活かすため観光危機管理の分野に詳しいJTB総合研究所主任研究員の河野まゆみさんをお迎えして、「火山、土砂災害に対する観光危機管理の取り組み ~木曽御嶽山噴火災害を受けて~」をテーマとする講演を聞きました。
セミナー講師のJTB綜合研究所河野まゆみ主任研究員
講演では、御嶽山噴火による「直接的な被害」や「観光への影響」や東日本大震災で実際に発生したうわさなどの紹介を交え、観光危機管理の必要性や特徴、風評発生のメカニズム等についての話がありました。
危機発生時にまずやるべきこととして挙げられたのは、「観光客の命を守る」、「家に帰してあげる」の2点。
また、風評被害対応については、風評が生まれること自体を止められないが、流言発生から24時間以内の早期段階で正確な情報発信を行い、社会的混乱を未然に防ぐことが重要とされました。
観光危機管理の備えとしては、観光危機管理計画検討の手順が示されました。
ステップ1 「起こりうる危機と観光客に対するリスクの想定」
ステップ2 「危機管理対策における現状の把握と既存計画との関係整理」
ステップ3 「具体的な危機への対応方法の検討」
ステップ4 「コミュニケーション対応方法・体制の構築」
ステップ5 「迅速な観光復興を行うための方策検討・体制の構築」
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