2013.09.05 [ 歴史・祭・暮らし ]
瓜天王(うりてんのう) 伊那市手良の祇園祭り
こんにちは。魅力発掘隊のNです。
四国高知の四万十市程ではないにしても、今年は信州伊那谷の夏もなかなか厳しい暑さが続きました。
さて、暑い日本の夏を代表する野菜に、キュウリがあります。
味噌を付けたり、塩揉みしたり、サラダに入れたり、漬物にしたりと大活躍。どこの家でも、夏の食卓の楽しみの一つになっているのではないでしょうか。
このキュウリをお宮にお供えする、不思議なお祭りがあります。
伊那市の天竜川東岸で、里山の麓に広がる手良(てら)中坪地区に伝わる「瓜天王」というお祭りです。
地区に昔からある八幡社の境内に、椹(さわら)の葉で柴宮と呼ばれる小さな社が作られ、そこに地区の皆さんが家で採れたキュウリをお供えするという行事です。以前は家で最初に取れた、初物のキュウリをお供えしたものだそうです。
柴宮は、7月13日に氏子の皆さんにより作られます。
この柴宮の中には、津島神社のお札が祀られています。地元では祇園祭りとも呼ばれています。
14日の夕方辺りが薄暗くなる頃に、境内に灯りが点されます。
そして近所の善男善女がキュウリを持って参詣に来ます。一人でまたは家族で1本のキュウリを柴宮にお供えし、静かに手を合わせてお参りします。
お願いするのは、この暑さを何とか乗り切ること、家族が健康であることです。
江戸時代村に疫病が流行った時に、キュウリをお供えするとそれが鎮まり、その頃から行われている行事だと言い伝えられています。
似たようにキュウリをお供えするお祭りが、九州や福島県でも行われているそうです。
さて、まだしばらくは残暑が続くかもしれません。今夜のキュウリは美味しいのはもちろん、そのうえに何だかありがたい物の様な気がしませんか。
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