い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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自灯明をこころに 【井月さんのこころ159】

 今年は、彼岸明けの23日(水)が旧暦の二月十五日(如月満月)、涅槃会でした。
井月さんは詠みます。
   涅槃会や何処の内儀か最(も)う日傘  井月

 この句についても、竹入弘元先生の評釈を引用させていただくと・・・、
 涅槃会は、釈迦入滅の日の陰暦二月十五日に、釈迦の徳をたたえて行なう。太陽暦の今は月遅れの三月十五日とするが、まだ肌寒さも残る。内儀は人妻を敬って言う。どこの内儀かしらないがもう洒落た日傘を差している。
美しい婦人を描いて妙なる井月。日傘は夏の季語だが、涅槃会で春とする。
  (涅槃会・春)

 お釈迦様の入滅の日。その遺言は「自灯明、法灯明」でした。
 お釈迦様は、35歳のときガンジス川中流のほとり、菩提樹の木の下で瞑想の末に悟りを開かれ、その後45年間説法の旅を続けました。そして80歳のとき、阿難尊者を従者として生まれ故郷を目指して旅する途中、インド北部のクシナガラの沙羅双樹の下で頭を北に向け右脇を下につけて静かに80歳の生涯を終えました。

 阿難尊者は、遡回その153にも登場しました。
 2016年2月13日 ありがたき盲亀浮木に 【井月さんのこころ153】
 https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/life/21647.html

  釈迦三尊(釈迦如来、普賢菩薩、文殊菩薩)

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 「自灯明・法灯明」は、釈尊が入滅される直前に、「師が亡くなったら、何に頼ればよいのですか」と嘆く弟子の阿難尊者に示された最後の教えだといわれています。
 「自らを灯とし、法を灯とせよ。」すなわち「他者に頼らず、先ずは自己を拠りどころとし、次に理法を拠りどころとして生きなさい」ということです。
 「盲亀浮木」「自灯明・法灯明」という釈尊の教えは、我々にいただいた命を大切にし、智慧と理法とを拠り所として自ら行動し、語ることを促しているのだと思います。

 再任用の定年を迎えられるY・Aさんには、たいへんお世話になりました。
 釈迦三尊の向かって右脇には、右手に宝剣を左手に経典を持つ智慧を司る『文殊菩薩』がおわします。卯年生まれの護り本尊です。御真言は「オン アラハシャノウ」。
 ありがとうございました。

  月並みに礼言ひて去る柳かな   青巒
    西岸とても吹くねこやなぎ   朴翆
  涅槃会に見渡す先の遠き途(みち)  青巒
    一日(ひとひ)後るる此の身千両  朴翆

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