2016.03.05 [ 歴史・祭・暮らし ]
東風に回る風車に 【井月さんのこころ156】
薪ストーブは、忙しい生活には馴染まない「スロー暖房」であり、効率よい着火、外気の取り込み方、二次燃焼への切り替え方などには、テクニックがありますが、これは要するに「慣れ」だと思います。この冬は、灯油がリッター50円を下回りましたので、薪ストーブは休日に焚くぐらいで、石油ストーブも併用しています。
伊那合同庁舎でも、ペレットストーブのほか小規模ですが太陽光や風力発電も使っています。
平成21年度に県有施設太陽光発電導入事業の一環として、風力と太陽光によって発電する電気を使った「ハイブリッド型外灯」を2基設置しました。
垂直軸組型風車(定格出力100W以上)、太陽光パネル(出力40W以上)を併用してLED照明灯(定格電力12W以上)を夜間自動点灯します。蓄電池(5時間×5日間以上)を内蔵しています。
上伊那地域では、山並みスカイラインの景観を邪魔する風力発電は、計画断念に至りましたが、街のアクセントにもなり、環境教育にも活かされるこうした自然エネルギーの普及は推進すべきものであると思います。
さて、春まだ浅い季節。風車(ふうしゃ)ならぬ風車(かざぐるま)を井月さんが詠んでいます。
東風吹くや子供の持ちし風車 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
春は東風が吹くはずだがまだ寒い。子供は風の子、外に出て遊ぶ。風音を立てて回る風車。厚めの紙を四角に切って角から中央に向けて切る。一片置きに中央に寄せて針金を通す。こんな簡単な風車を自分で作って遊んだものだ。貴重なり。
室町前期の歌僧正徹に風車の歌だあるが、俳句は古い作例は少ないようだ。
(東風・春)
思い起こせば、DIYによるものづくりは、子供の頃に作って遊んだ風車(かざぐるま)がスタートでした。作り方は、竹入弘元先生の評釈にあるとおりですが、上手く回すには、ビーズやストローを使うなどちょっとした工夫が必要です。
百円ショップでカラフルな良く回る風車を見つけました。
朝東風や百八円のかざぐるま 青巒
今週の結びは、愚良子先生のこの句です。
「春日愚良子句集」から
無為の日やペットボトルの風車 愚良子
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