2016.03.05 [ 歴史・祭・暮らし ]
東風に回る風車に 【井月さんのこころ156】
ところで、我が家における再生可能エネルギーの取組みも、太陽光発電が11年目に入り、薪ストーブもDIYで導入して3冬目になりました。
薪ストーブの写真は、このブログにも度々登場しましたが、その製作過程については初登場です。防火等の安全対策には万全を期したつもりですが、もし参考にされるとしても、あくまでも自己責任で施工してください。
まず、ストーブを置く予定の床下に潜って、床を補強しました。
ストーブが百キログラム強、炉台のレンガやモルタルも同程度の重量がありますので、床が沈み込まないように根太を支えるように補強の束を数箇所立てます。
煙突の位置を決めて、外壁と内壁を切り取って穴を空け眼鏡石を入れます。壁のどの位置に空洞があるか予め住宅メーカーから詳細図面を取り寄せました。むやみに穴を空けるのは厳禁です。壁の中の鉄骨に少し掛かりましたが、想定の範囲に収まりました。
煙突は、径の異なる2種類を使って(この場合は、直径12センチと15センチ)、間にグラスウールの断熱材を入れて室外用の二重煙突を作ります。部材は、インターネットで探しました。
壁に煙突を固定する金具は、ホームセンターなどで売っている建築金物を組み合わせて、二重煙突に耐えられるように工夫が要ります。
一番苦労するのが、煙突設置工事です。単管パイプ等を使って外壁に沿って足場を組み、煙突の取り付けを行ないます。
炉台用のレンガとモルタル、鉄芯等は、ホームセンターから調達し、現物に合わせて壁から5センチ程度の隙間ができるように井桁の鉄芯を2面に沿って組み上げます。その鉄芯に沿わせてレンガを積み上げていきます。本格的な耐火煉瓦が望ましいのですが、高価ですので一丁百円程度のものを耐火モルタルで目地を埋めていけば十分だと思います。
防火上、壁と床には厚み5ミリ以上のケイカル板を貼り付け、炉台より上部になる壁にはケイカル板の上に更に珪藻土の壁塗りを行ないました。
ネットで探したストーブが届いたら、庭で空焚きをして、塗料等の臭いを飛ばします。
チェーンブロック、ウインチ(チルホール)、ジャッキ、足場板、手押し車などを駆使して、室内へ据え付けます。
DIYの楽しみは、先ず頭の中で3次元の設計図を思い描いて、製品や材料などの現物を探して寸法等を確認しながら図面に直して、必要数量を計算して調達し、細部は現場合わせしながら創り上げることにあります。
こうしてほぼ一年がかりで薪ストーブを設置して、焚き始めてから満3周年になりました。
薪は、遡回その76で記したとおり、風倒木などを活用して、一年以上乾燥させたものを使っています。
2014年9月6日 稔り間近の秋に 【井月さんのこころ76】
ところで、薪ストーブは、本格的なものはほとんど全てが外国製であり、特に煙突の施工にはストーブの本体価格以上に費用が掛かります。二重煙突の輸入物は非常に高価で、庶民にはとても手が届きません。薪ストーブの本格的な普及のためには、「地消地産」の煙突開発などが必要だと思います。今後、伊那谷アグリイノベーション推進機構のテーマのひとつに据えて取り組んでほしいと思います。
上伊那のものづくり技術を使えば、安価な二重煙突などわけなくできると思いますし、これが、昨年1月の移動知事室の際に阿部知事が盛んに使っていた概念『輸入置換』です。
経済学者ジェイン・ジェイコブズが説いた『輸入置換』(これまで輸入していた製品を地場技術により自前生産に切り替えることが経済発展の原動力になる。)については、こちらで記しました。
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