2015.02.07 [ 歴史・祭・暮らし ]
春待つ心に 【井月さんのこころ100】
大師匠からご褒美の紙衾と書付けまでもらった竹戸は大いに喜んで、
首出して初雪見ばや此衾 竹戸
と詠んだところ、奥の細道に同行した曾良が、それは自分が欲しかったものだと次の句を詠んだ。
たたみめは我が手のあとぞ其衾 曾良
更に、更科紀行に同行した越人が、
此ふすまとられけむこそ本意なけれ 越人
と詠んだのだそうです。師匠の紙衾を巡る何とも暖かな師弟愛が感じられる逸話です。
1月30日(金)の午後、上伊那地方事務所、上伊那山林協会、上伊那森林組合、上伊那猟友会の共催による「もりもり上伊那 山の感謝祭」をいなっせで開催し、林業関係者など約150名の参加をいただきました。詳細は、こちら。
昨年県内ではツキノワグマによる人身事故が過去最多の31件も発生し、上伊那管内でも3件ありました。信州大学農学部野生動物対策センター長である泉山茂之教授からツキノワグマの生態などについて講演をいただき、今後の被害対策に役立てていただくこととしました。
最近は、熊に発信器を取り付けてGPS(衛星利用測位システム)で追跡することにより生態が詳しく分かるようになっているとのこと。 ツキノワグマの出産はちょうど今頃、冬眠中の巣穴で2頭が生まれ、飲まず食わずの母熊から授乳を受けて、4月頃から活動を始め、9月10日頃まで里山近くで暮らし、その一部が農地や人家近くに出没するとのこと。その後、奥山でブナ類などの木の実を食い貯めて冬眠の準備をし、12月から4か月の冬眠期間中は直ぐに動けるような状態にあるものの、飲まず食わず排泄もせずで過ごしているのだそうです。子熊は1年半、母熊と暮らし翌年の夏頃に親離れするので、母熊の出産は2年に1回ということなのだそうです。
伊那西小学校辺りへ出没するツキノワグマも、今頃は未だ、メスは中央アルプスの権現山の中腹で、オスは更に山奥の巣穴で冬眠中とのこと。縄張りをもたないので、かなりの密度で越冬していて、春を待っているのだそうです。
さて、2月の声を聴くとすぐ、節分・立春になりますが、まだまだ厳しい寒さが続いています。2月2日の早朝、JR信濃川島駅近くの温度計はマイナス15度を示していました。
井月さんが、次のように詠んでいます。
春を待つ娘心や手毬唄 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
手毬をつく時歌う手毬唄、唄の文句に春待つ心が。お正月が、暖かな春が本当に待たれる。昔の女子はよく鞠つきをした。ゴム鞠ができて、よく弾む。唄は世に連れ、移り変わるが、時代を反映した長い唄をすっかり覚えて、かわいい声で歌う無心の姿。しくじると友と交代。
手毬歌は季語としては新年だが、「春を待つ」が優先して冬の句とする。
(春待つ・冬)
一泊二日の人間ドックに行ってきました。
ドック明け春待ちかねて豆を炒る 青巒
「春日愚良子句集」から
撒かれたる福豆踏まれ易きかな 愚良子
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